前回のBlogで記録シートの内容をみてみると、単に観察しているだけではなく、部下の課題へのプロセスに上司として関わっていますが、評価を行なうときにプロセスも評価するのでしょうか?
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<解説>
「仕事は結果(成果)のみを追うのではなく、仕事のやり方、プロセスを大事にすることが大切である」といわれています。評価においても同様に、部下の仕事のやり方、プロセスをきちんと評価していくことが大切です。しかし、往々にして仕事の結果だけで評価しがちです。
結果だけで評価をしてしまうと、期待どおりの成果が出せない部下にはダメなヤツという評価しか残りません。部下なりに仮説を立てて取り組むなどプロセスを大切にしている場合でも、経験不足ゆえそれが不十分であったり、いろいろな事情が影響したりして成果を出せない場合がありますが、それらが一切評価されない、認められないとなると、部下のやる気を殺(そ)いでしまいます。
今秋、楽天イーグルスを退団した野村克也さんは自らの本『野村再生工場-叱り方、褒め方、教え方』の中で次のようなことを書いています。
とくに若手選手と接するときに大切なのは、絶対に結果論で叱らないことである。
たとえば、あるバッターが三振したとする。そのバッターがカウントほかの状況や配球パターンなどを考慮したうえで打席に臨み、結果としてそれがはずれて見逃し三振したとしても、私は絶対に叱らない。
その選手は最善とはいわないまでも、できるだけの準備はしたはずだからだ。
むしろ、「勝負に負けただけじゃないか」「次はこうしてみたらどうだ?」となだめ、アドバイスしてやる。(中略)
大切なのは、失敗を次につなげることだ。「失敗」と書いて、私は「せいちょう」と読むことにしている。
プロセスを評価するためにはは、上司も部下のプロセスに関わり、指導支援している必要があります。単なる観察者であってはいけません。担当する部門・部署の業績を上げようとするならば、部下のプロセスについて上司として真剣に関わるのは当然です。野村監督は、テレビに映る姿からは見えてきませんが、裏では選手たちのプロセスに真剣に関わっていたからこそ、弱小といわれたチームをクライマックスシリーズまで進出させることができたのでしょう。
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<ポイント>
評価においても部下の仕事のやり方、プロセスをきちんと評価してください。そのためには上司も部下のプロセスに関わり、指導支援していることが大事です。
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<他社に学ぶ>
上司評価について不平不満のある部下は確かにいます。それで頭を抱えている管理職をたくさんみてきました。不平不満は、上司が部下のプロセスに関心を示さず、指導支援せずに結果(成果)だけで評価しようとするためです。『野村再生工場』で見逃し三振した選手に野村監督は、声をかけてアドバイスしています。監督はプロセスに関わっているから、いくら“ぼやいて”嫌味をいおうとも選手からの反発がなかったのではないでしょうか。
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