人事コンサルタント鷹取が贈る「人事評価・労務管理・人材育成」入門

◆部下の人事評価・労務管理・職場のマネジメントに必要な考え方やツール、情報をピックアップしてお届けします。 ◆特に、医療・福祉分野の方向けにまとめていますが、一般企業の方にもぜひ参考としていただければ幸いです。 ◆担当は、人事総務部サポーター・現場管理職サポーターでアンガーマネジメント・ファシリテーターの『人事コンサルタント鷹取 人事マネジメント研究所 進創アシスト 代表』より。 【無断転載・無断複写禁止】

コラム

やらなければいけないことがたくさんあっても、できることは一つ

やらなければいけないことがたくさんあっても、できることは一つ
 
やらなければいけないことが集中するときはあります。
仕事の現場では日常的かもしれません。
優先順位を考えることはわかっていても
あれも、これも、それもと
いろんなことが頭から離れなくなってしまえば
パニックにもなりかねません。
結果、どれもが中途半端になってしまうでしょう。
 
落ち着きましょう。
まずは深呼吸。慌てているときは呼吸が浅くなっています。
次に「たくさんあっても、取り組めることは一つ」と
割り切ります。すべてのことは一度にできません。
 
そして、優先順位を考えます。
  • 重要度の高いこと
  • 期限が迫っていること
焦っているときは、軸が定まらずブレますから
この軸は普段から意識
しておいてください。
そして、他の同僚に振れるものは頼む、このことも大事。
抱え込まない。
 
 
ワンポイントメッセージ:
 深呼吸して、まずは一つに決める、他の同僚に頼る
 

面白いと思えば、考え方が広がる

面白いと思えれば、考え方が広がる
 
面白いと思えば知ろう、関わろうと考えて
積極的になれますが、
つまらないと思えば知りたくない、関わりたくないとなりますので
消極的になってしまいます。
 
人が関わるほとんどのことは多面性をもっています。
同じモノ・出来事を見ても
ポジティブに思うこともできるし、
ネガティブに考えることもできます。
 
例えば最近、いろいろな仕事の場面で
タブレットやスマホを使った情報共有が広がっています。
その新しい取り組みに対して、
ネガティブ:この忙しいのに、新しいこと入れるの止めて。
ポジティブ:どうすれば簡単に入力できる?上手いやり方教えて。
 
新しいアイデアや異なる視点に対してオープンな姿勢が大事です。
そして、面白いと思うには
「なに、それ? 教えて」
その一言をまず出してみましょう。
 
 
ワンポイントメッセージ:
 面白いと思うには「それなに? 教えて」から
 

出来ないことはやらない、断る

出来ないことまで引き受けてしまうと苦しくなります。
また、相手のペースにはまってしまうことにもなります。
自分の出来る範囲で頑張りましょう。
出来ないことは断りましょう。
 
ポイントは時間です。
あなたの時間は無限にはありません。有限です。
限られた時間の中で、
自分に出来ることをやると決め、
出来ないことは断りましょう。
 
相手の要求を
すべて聞かなければならないということはありません。
断ることは最初勇気が必要ですが、
思い込みを捨て、考え過ぎずに
事情を伝えてあっさり伝えましょう。
「私は今、〇〇に取りかかっていて
ご依頼されていることをやると
どちらともが中途半端になってしまいますので
どうかご理解ください」と。
 
役職に就いている上司や先輩もそうです。
チームなのに一人で抱え込んでいませんか。
断ること、人に頼るのは恥ずかしいことではありません。
あなたの努力を見ているチームメンバーはいます。
出来ることと出来ないことを分けて
出来ることに注力しましょう。
 
 
ワンポイントメッセージ:
 出来ることと出来ないことを分けて、出来ることに注力
 

100点か0点かではなく、その間の点数に意識を向ける

「100点か0点かではなく、その間の点数」
 
人と人が関わることで、ほとんどのことは
 ・完璧な100点(すべてが満点)
 ・完全に0点(1つも良いことはない)
ではなく、その間の点数です。
 
「完璧な100点(満点)」でなければ満足しないなら
99点でもダメとなり
結果、0点と同じ扱い(最悪評価)になってしまいます。
 
日頃から「間の点数」をつける意識を
もっておくことが大事です。
トレーニングと思ってやってみてください。
 
まずは、自分自身のことから
上手くいかなかったときに
「今、何点だろう?」
慣れてくれば、気分の落ち込みは小さくなってきます。
 
次に、部下への評価
十分満足いく結果ではなかったけれど
「彼(彼女)は、何点だろう?」
すると上手くできたところが見えてきますので
適切にアドバイスすることができるようになるでしょう。
 
また、同僚や部下の中には
この「100点か0点か」思考でもって
自分自身を“ 私はダメ人間 ” と凹んでしまう人がいますが、
考え方の偏りが強すぎます。
“部下への評価”で書いた視点を参考に
アドバイスを繰り返し伝えてみましょう。
 
 
ワンポイントメッセージ:
 日頃から「間の点数」をつけるトレーニングをしましょう
 

“考え過ぎ”も思い込み。あっさりやってみましょう。

あなたは、考え過ぎていませんか?
 
 ・失敗するんじゃないか
 ・下手したらすべてが終わりになるかも
 ・相手に悪く思われたらどうしよう
 
これらは思い込みといえるかもしれません。
あれこれ見通しばかり立てて先へ進めていません。
 
迷惑をかけたくないという思いや
相手への気づかいで
考え過ぎてしまう人が少なくありませんが、
やってみると
案外できた
相手に理解してもらえた
ということも少なくないはずです。
 
もちろん、無暗にやるのではなく、準備してからですが、
一度、準備したら、“ 考え過ぎず ”
あっさりやってみましょう。
それでも、どうしても不安なら、
信頼できる先輩や相談しやすい同僚等に聞いてみましょう。
一人で抱え込まないことが大事です。
 
 
ワンポイントメッセージ:
 考え過ぎずに、あっさりやってみる。
  

「これぐらいは出来るだろう」は危険、有資格者への思い込み

「これぐらいは出来るだろう」
 
国家資格をもっているということは
一定の水準レベルにあるという証ですが
それによって
 ・出来て当たり前
 ・出来ないのはおかしい
と考えてしまう思い込み
をしてしまうことがあります。
 
確かに、試験には合格しています。
しかし、実際の現場と試験とは違います
例えば、介護の場合、一人ひとり違う利用者が相手ですから
教科書どおりにはいきません
また、担当する業務のすべてが
教科書に載っているかというとそんなことはありません。
職場で多少なりともやり方は違いますし、
準備や後片付けのことを初めから知っているわけではありません。
先輩達も、それで苦労してきたのではありませんか?
新人の頃を思い出してみましょう
 
 
ワンポイントメッセージ:
 資格は万能の証ではない。「これぐらいは出来るだろう」を疑う。
 

“相手の意見や考えを最初から否定してしまう”思い込み

blog「気をつけたい“思い込み”
blog「
“相手の意図を誤解してしまう”思い込み
blog「“相手の話に耳を傾けない”思い込み」続き
 
コミュニケーションをとる上で、
思い込みが強く入って偏っていると
“3.相手の意見や考えを最初から否定してしまう”
ことがあると書きました。
 
相手を厄介な人間だ敵だと思い込んでいると
相手の意見や考え、理由を
聞かずに
最初から否定してしまいます。
 
このひどいケースとしては
職場で敵対するグループ間。
ベテランの中核社員同士の仲が悪く、
おおっぴらにはしませんが、
バトルを密かに繰り広げている。
お互いに相手を否定しあって
“あなたはどっちにつくの?
グループに入っていない者に問いかけ
相手側についたら、ひどいいじめに遭い、
どちらにつかなくても、無視される。
 
相手の全否定からは何も生まれません。
あなた自身も全否定されることにつながってしまいます。
感情からではなく、事実に意識を向けた話をしましょう。
本人達だけで難しいのであれば、
上司や先輩などが仲立ちとして、
事実で話をすることを重ねてください。
 
ワンポイントメッセージ:
 レッテル貼りの思い込みは、あなたにもレッテルが貼られる。
 

“相手の話に耳を傾けない”思い込み

blog「気をつけたい“思い込み”
blog「
“相手の意図を誤解してしまう”思い込み」続き
コミュニケーションをとる上で、
思い込みが強く入って偏っていると
“2.相手の話を聴かなくなる
ことがあると書きました。
 
自分は正しい”という思い込みがあると、
相手の話に耳を傾ける必要性があるとは考えなくなります。
相手が話をしても、それに意識が向きません。
話を遮ってしまうこともあり
関係性も切れ切れになってしまうこともあるでしょう。
 
例えば、
新人の仕事のやり方が自分とは違ったときに、
新人は間違ったことをしている、
自分のやり方が正しい、と思い込んでしまっている場合、
新人が説明しようとしても耳を塞いで聴かず、厳しく叱責する。
しかし、新人は最新の知識とスキルを学び身に付けていて
効率的で合理的な業務をしていたかもしれません。
そして、自分を取り繕うように言い訳を重ねてしまうことがあります。
 
時代や状況の変化によって、やり方が変わることもあります。
情報をアップデートする意識を持ち、
自分だけが正しい、間違っていないという思い込みに
少し疑問をもつクセをつけましょう。
 
 
ワンポイントメッセージ:
 思い込みは、相手の話に耳を閉ざし、関係性も悪くなる。
 

“相手の意図を誤解してしまう”思い込み

blog「気をつけたい“思い込み”」続き
コミュニケーションをとる上で、
思い込みが強く入って偏っていると
“1.相手の意図を誤解してしまう”
ことがあると書きました。
相手の言葉を自分の思い込みに
当てはめて解釈してしまうことは
良くも悪くも自分に都合のいいように
聞いてしまっています。
 
あなたも思い込みで自分勝手な解釈をしてしまっていませんか?
 
例えば、
相手から「なぜ、そうするんですか?」
「なぜ」が、自分に対して攻撃していると思い込んでいると
返す言葉も攻撃的になるか、
または逃げる態度になってしまいます。
相手は、単純に疑問を感じて聞いただけかもしれないのに。
 
相手の本来の意図とは違うものであれば
齟齬・ギャップが生じで意思疎通が上手くいきません。
また、関係性が悪くなったりすることもありますので
気をつけましょう。
 
 
ワンポイントメッセージ:
 思い込みは、自分勝手な解釈で、相手を誤解してしまう。
 

コミュニケーションをとるときに気をつけたい“思い込み”

自分の意見をしっかり持って相手に伝えることは
コミュニケーションをとる上で、とても重要ですが、
その意見の中に、思い込みが強く入っていると
  • 相手の意図を誤解したり
  • 相手の話を聴かなくなったり
  • 相手の意見や考えを最初から否定してしまう
ことになりかねません。
 
これでは相手とのコミュニケーションのキャッチボールができず、
意思疎通を難しくしてしまいます。
少し立ち止まって考えてみましょう。これができるかです。
(“思い込み”については、別の記事でご紹介します。)
 
上司が、新人を指導する先輩職員に
「その指導では効率が悪い、こうすべきだ」と注意。
指導はこうあらなければならないという
思い込みが出ているかもしれません。
すべて否定するものではありませんが、
先輩が新人の力量をみながらタイミングを考えているかもしれません。
少し立ち止まって、
指導している先輩に理由を聴きながらアドバイスをしてみてください。
 
  
ワンポイントメッセージ:
 偏りの強い“思い込み”が相手との意思疎通を難しくする。
 

ミスの理由を尋ねて「ありません」は危ない

blog「相手からミスした理由を聴くことを忘れない
叱る手順3ステップで
 2.相手から理由を聞く。
と書きましたが、
相手に対して「何か理由(わけ)があるのか?」と尋ねたときに
私が悪いんです。特にありません」と答えたとしても
それは本心ではないかもしれません。
理由を言えないという人もいます。
いろいろな事情が考えられますが
普段からの関係性も大きな要因でしょう。
常日頃から声かけをするなど
コミュニケーションを取っておくことが大事です。
 
理由があるのに言えないというのは
非常に大きな問題をはらんでいる可能性があります。
福祉の現場で利用者さんのケガや虐待に至ってしまうのは
そういうことから派生します。
ミスの理由を尋ねて「ありません」は
意思疎通が上手くいっていないかもしれない
そう意識しておくことです。
 
 
ワンポイントメッセージ:
 ミスの理由を聴いても答えられない人がいる。
 

叱るときに相手からミスした理由を聴くことを忘れない

叱るときに
一方的に、ダメ出しや自分の思いだけを伝えるのではなく
相手がミスした、違反したということには
何らかの原因があるでしょうから
叱るときに相手からその理由を聴くことが大事です。
これは理解されていると思いますが
冷静なときは出来ても
余裕がないときは出来ない
ことがあります。
忘れないように、叱る手順を持っておきましょう。
少なくとも次の3ステップを必ず意識し実施してください。
 
 1.ミスした事実を確認し、なぜ叱るのかを伝える。
 2.相手から理由を聴く。
 3.今後、どうして欲しいのかを伝える。

 
  
ワンポイントメッセージ:
 相手からミスした理由を聴き叱る3ステップを持つ。
 

叱るときにやってはいけないこと③

叱るときに、人によって叱り方を変えるのはダメです。
例えば、
特養(特別養護老人ホーム)で
引き継ぎ時刻に申し送りノートが書けていないことについて
 年下の後輩に、厳しく叱責するのに
 年上の後輩や同僚には、何も言わない
 
この場合、年下の後輩は「私だけなぜ叱られるのか?」と
疑問に思い、それが不信感につながり、
結果、注意された内容より
理不尽に叱られた
という気持ちだけが残ることになってしまいます。
叱るときにやってはいけないこと①
“叱る基準を変える”にもなってしまいます。
年上の後輩や同僚には言いにくいかもしれませんが
注意の仕方を学び身に付けましょう。
アンガーマネジメントには
『アンガーマネジメント叱り方入門講座』という講座があります。
『アンガーマネジメント入門講座』とともに受けてみてください。
 
 
ワンポイントメッセージ:
 人を見て叱り方を変えると信頼されなくなります。
 
 
アンガーマネジメント研修のご相談は ■こちら(クリックしてください)■ まで。
 

叱るときにやってはいけないこと②

次は、叱るときに使ってはいけない言葉です。
 
性格や性質を否定する言葉
 バカ、アホ、育ちが悪い、頭が悪い、性格が悪い
能力を否定する言葉
 役に立たない、ミスばかりする、無知、無能クズ
価値観や信念を否定する言葉
 価値観がおかしい、世間知らず
プライベートを否定する言葉
 貧乏、田舎出身、童貞
容姿などを否定する言葉
 ブス、デブ、ハゲ、気持ち悪い
 
また、直接的に相手を否定する言葉だけでなく、
間接的に相手を否定する言葉や態度なども含まれます。
例えば、相手を
 無視する、怒鳴る、威圧する、侮辱する、嘲笑する
これらの行為も、人格を攻撃する行為としてとらえられてしまい
パワーハラスメント(パワハラ)にもなりかねません。
 
これらがダメなことを冷静なときはわかっていますが
忙しくて余裕がなくなってくると
無意識につい出てしまいます
 
叱るの本来の目的(←以前のblog参照ください)にはつながらず
相手を委縮させたり、
反発させてしまったりするだけになってしまいますので
まずは理解して、使ってはいけない言葉や態度が
出そうだなと思ったら回避する行動をとりましょう。
そのためには自分の怒りと特徴と傾向を知っておくことが大事です。
(「アンガーマネジメント診断サービス」を受けてみるのもよいでしょう)
 
 
ワンポイントメッセージ:
 叱るときは相手が受け取りやすい言葉を使い、落ち着いた態度をとりましょう。
 

適切な叱り方、2つのポイント

叱るというのは、
相手に行動(言動や態度)を変えて欲しい
というメッセージ
blog「叱るときに押さえておくこと」で
  • 「~して欲しい」と要求を具体的に伝える。
  • 相手の立場に立って、理解できる言葉で伝える。
と書きましたが、
どう行動を起こして
どのようになればよいか

相手にわかるということが重要です。
 
そして、相手がわかっただけではダメで、
実際、行動を起こしてもらわなければならないので
それが判断できるような基準をもって伝えることも重要。
これが適切な叱り方です。
 
介護の新人に
「入浴介助をしっかりやるように」
 しっかりという表現では、わかりませんし、
 あいまいですから、基準がない状態です。
 
「入浴介助をチェックリストの手順でやるように」
 チェックリストは具体的で、わかりやすい一つですね。
 できているか基準も明確です。
 
 
ワンポイントメッセージ:
 相手が理解できて、行動が変わったことが確認できる基準が明確。これが適切な叱り方
 
プロフィール

進創アシスト 鷹取...

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