人事コンサルタント鷹取が贈る「人事評価・労務管理・人材育成」入門

◆部下の人事評価・労務管理・職場のマネジメントに必要な考え方やツール、情報をピックアップしてお届けします。 ◆特に、医療・福祉分野の方向けにまとめていますが、一般企業の方にもぜひ参考としていただければ幸いです。 ◆担当は、人事総務部サポーター・現場管理職サポーターでアンガーマネジメント・ファシリテーターの『人事コンサルタント鷹取 人事マネジメント研究所 進創アシスト 代表』より。 【無断転載・無断複写禁止】

2011年06月

ビジョン作りの手順

<管理職からの質問>
管理職の困った顔 自分の職場のビジョンを実際に作成したいと思いますが、どのような手順で作成すればよいでしょう? また、そのときのポイントを教えてください。
 
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<解説>
社労士 ビジョン作りは、次のようにしてください。
 
① 設定する3~5年先の暦年を書く。例…5年先の2016年
② ①の暦年時の自分の年齢を書く。例…5年先は45歳
③ ①の暦年時、自分の部下がある程度入れ替わる(異動や入・退社など)ことをイメージする。例…部下の5分の1が入れ替わり、若くなっている。
ビジョン作りの手順④ ①の暦年時、自分が担当する職場(組織)をどのような状態でありたいかを書いてみる。
 ・どの領域で
 ・なにを
 ・どのように実現している
⑤ ③の内容が上位組織の理念や目的、使命とズレていないか確認する。ズレている場合は、修正する。
⑥ ③の内容に夢や想い、情熱などの言葉がこもっているか、また、シンプルになっているか確認する。そうでない場合は、修正する。
⑦ ⑥の内容を声に出してみる。言い回しがくどいなど、リズムがよくない場合は、修正する。
 
 ビジョンを明確で、誰にでもわかりやすいものにしようとすれば、「○○でナンバー1になる」と設定すればよいでしょう。「○○で」というのは、県内で、市内で、町内で、組織内でなどどのような範囲でも構いませんが、ナンバー2以下ではなく、とにかくナンバー1を目指してください。
 
 また、⑦でも書きましたが、ビジョンを従業員の頭に鮮明に残そうとするならば、言葉のリズムはとても重要です。いくら素晴らしいことを書いていても、リズムが悪いと覚えられません。反対に、多少表現が荒くても、リズムがよければ覚えやすくなります。
 
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<ポイント>
! 上記の手順にしたがってビジョンを作成してください。そのとき、「ナンバー1」を目指すことと、言葉のリズムを大事にするとよいでしょう。
 
 
 
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ビジョンを作り、中期的に目指したい部署の姿をイメージ化する

<管理職からの質問>
管理職の困った顔 部署の目標や計画づくりは毎年度作成しているのですが、部下から、どうもコロコロ方向性が変わるので、理解しにくいという意見が出ています。組織の上位方針も多少変更ありますが、私としてはそう大きく変わったとは思っていないのですが、部下には説明をどのように工夫していけばよいでしょうか?
 
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<解説>
社労士 目の前の(短期的な)ことだけにとらわれず、3~5年先の(中期的な)方向性をイメージとしてもっておくことはひじょうに重要です。一般的に「ビジョン」と言われるものです。ビジョンには法人(会社)レベルのビジョンもあれば、事業部門レベル、部署(課)レベルのビジョンもあります。

 下位のビジョンは、もちろん上位のビジョンと整合性が取れていなければなりませんが、下位になればなるほど、自分が所属する部署の業務に直結したものになりますので、イメージが鮮明になるでしょう。
 ビジョンづくり
 ビジョンは、組織の理念や目的、使命をベースに作成されます。方針と同義と考えられる方もいますが、ビジョンはよりイメージ化し、わかりやすくしたものと考えてもらうとよいでしょう。夢や想い、情熱などの言葉を込めた表現で示し、部下から共感が得られるように工夫してみてください。

 ビジョンを作ることによって、判断がブレにくくなり、また部下を統率しやすくなります。
 
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<ポイント>
! 目の前のことだけにとらわれず、3~5年先の中期的に目指したい部署の姿をイメージできるようにビジョンを作成しましょう。それには、夢や想い、情熱などを込めた表現で部下から共感を得られるように工夫してください。
 
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キャリアの4つの要素

<管理職からの質問>
管理職の困った顔 「自分にできること」「自分がやりたいこと」「自分がやりたいことの先にあるもの」「偶然の出会い(機会)」以外にキャリアに影響するものはあるのでしょうか?
 
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<解説>
社労士 自分がどのようなキャリア(職業の経歴)をたどっていくかは、次の4つの要素で決まります。
 
 ①仕事に対する意識(キャリアイメージ)
 ②職業能力
 ③偶然の出会い(機会)
 ④その時の状況や条件
 
それぞれの内容については、次のblog記事を参考にしてください。
キャリアの4つの要素 ①…「自分がやりたいこと」「自分がやりたいことの先にあるもの
 ②…「自分にできること
 ③…「一つの出会いを活かして、次の出会いを呼び込む」「偶然を呼び込み、活かす力を高める
 
 ④…いくら①②③が揃っても、そのときに仕事ができる状況であるか、または条件がそろっているかでキャリアが左右されます。例えば、自分が妊娠して出産する場合、いくら①②③が揃っていても、基本的に一定期間は仕事に就くことができません。
 
 ①②③④これらが相互に影響しあって、実際のキャリアになると考えていただくと良いでしょう。
 
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<ポイント>
! キャリアは、①仕事に対する意識(キャリアイメージ)、②職業能力、③偶然の出会い(機会)、④その時の状況や条件がそれぞれ影響しあうことになります。

 
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★福祉施設向け特別企画投稿★★

kaigo_syogukaizen「介護職員処遇改善交付金」申請で必要とされるキャリアパス その設計と活用ポイント に、とてもたくさんのアクセスをいただきましたので、特別投稿をします。こちらもご参考にしていただけると幸いです。

 
  
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偶然を呼び込み、活かす力を高める

<管理職からの質問>
管理職の困った顔 「自分にできること」「自分がやりたいこと」「自分がやりたいことの先にあるもの」を考えることでキャリアを描く(デザインする)ことができるでしょう。しかし、現実的にはそのようにいかないことが殆どだと思います。そうであればキャリアデザインをどのように考えるとよいでしょうか?
 
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<解説>
社労士 ブログ記事「一つの出会いを活かして、次の出会いを呼び込む」の中で、キャリアは偶然の出会いによって、大きな影響を受け、方向が変わることがあると書きました。確かに、いくらキャリアデザインを明確に描いても、人や仕事との偶然の出会いがキャリアの方向性を大きく変えることになるのが実際でしょう。(キャリア研究の中でも「キャリアは偶然性に支配されている」という理論があります。)
 偶然を呼び込み、活かす力を高める
 キャリアデザインを考えるにあたって、その偶然の出会いを呼び込む力が重要であり、さらにはその機会を活かす力が重要になります。そして、それらの力をいかに高められるかが、キャリアに大きく影響するでしょう。ただ単に偶然を待って、自分の望む方向であれば喜び、望まない方向であれば落胆するのでは、主体的なキャリアにはつながっていかないでしょう。
 
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<ポイント>
! キャリアデザインを考えるときには、人や仕事との偶然の出会いを呼び込む力、さらにはその機会を活かす力が重要で、それらの力をいかに高められるかが、キャリアに大きく影響するでしょう。


 
  
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担当部署の方向性を示す

<管理職からの質問>
管理職の困った顔 管理職の役割はわかりましたが、具体的には何から理解し、また実践するとよいのでしょうか?
 
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<解説>
社労士 複数の従業員が集まって仕事をする理由は、人数分以上の効果(相乗効果)を期待するからです。相乗効果をより大きなものにするには、全員が一定の方向に向かい、さらに協力していることが必要です。個人個人がバラバラのことをやっていてはいけません。
 そのためには、管理職は部署がどのような姿になるべきかを部署の従業員全員に共有させ、その方向に導いていくことが大切です。
 
 そこで、その任務を果たすために、押さえておくべきポイントを説明しましょう。組織の「理念」を基に「目的」や「使命」「方針」を明確にし、「目標」を定めて「計画」を具体化します。意味は次のとおりで、これをブレークダウンといいます。
 
担当部署の方向性を示す・理念…組織が存在する根底にある根本的な考え方
 ↓
・目的…組織として成し遂げようと目指す最終的なゴール
 ↓
・使命…組織または部署として果たすべき任務
 ↓
・方針…組織または部署として目指す方向性、活動を進めるうえでの判断の基準
 ↓
・目標…部署として達成すべき具体的なゴール、目的を達成するために設けた目印じるし
 ↓
・計画…部署として目標達成に向かって方法や手順など実施することを決めておくこと
 
 これは、どんなに大きな組織でも、小さな組織でも考え方は、基本的には変わりません。
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<ポイント>
! 管理職として部署がどのような姿になるべきかを部署の従業員全員に共有させ、その方向に導いていくために押さえておくべきポイントは「理念」「目的」「使命」「方針」「目標」「計画」です。

 
 

管理職の役割

<管理職からの質問>
管理職の困った顔 管理職の役割について教えてください。私は、担当部署の業務の進捗管理や部下の管理を滞りなく行っているつもりですが、それだけでは不十分でしょうか?
 
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<解説>
社労士 管理職の役割として、担当部署の事業運営や部署内の業務調整などをイメージされることが多いですが、それだけではありません。次の分類をみてください。
 
~管理職の役割~
(1)組織の維持管理
 ・担当部署の事業運営
 ・部署内の業務調整管理職の役割
 ・上層部や他部署との対応
 ・外部との交渉
 ・情報の収集・集約・伝達
 ・部下の管理
 ・日常的な問題解決
 ・緊急時の対応
 
(2)組織の変革や活性化
 ・業務の改善、改革
 ・企画の立案、提案
 ・部署の新展開やビジョン作り
 ・部下の育成
 ・組織活性化、やりがいの演出
 
 (2)の組織の変革や活性化を推進することも管理職の重要な役割です。リーダーシップを発揮するのは基本的にこちらのことです。
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<ポイント>
! 管理職の役割には、(1)組織の維持管理と、(2)組織の変革や活性化の2つの面があることを理解し、一方だけではなく、どちらも担っていく必要があります。特に、(2)は忘れがちですので、意識して取り組みましょう。
 
 
  
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キャリアを描く~その3「自分がやりたいことの先にあるもの」

<管理職からの質問>
管理職の困った顔 やりたいことが具体的で、現実すでにやっている職員もいます。それはそれでよいと思うのですが、キャリアを描かせる場合、これ以上考えさせることはないのでしょうか?
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<解説>
社労士 「自分がやりたいこと」を実現すると、それは誰に、またはどんなところに、どのように喜んでもらえるのか?、どのような貢献があるか? を考えてみてください。
 自分がやりたいことの先にあるもの
 小さな視点だけではなく、大きな視点も必要です。
 例えば、福祉従事者の場合、QOLの向上で笑顔あふれる利用者を増やすという視点の他に、施設サービス全体の質の向上、法人理念の実現、地域福祉の発展、さらにはノーマライゼーション理念の実現という感じです。
 一人の力では崇高な理念の実現は不可能と考えるのではなく、微力ながらもその実現に向けて貢献する、貢献したいというように考えてもらうとよいでしょう。
 
 
 カテゴリ:職場のマネジメントの「虫の目」と「鳥の目」を参考にしてみてください。
 
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<ポイント>
! 自分のやりたいことの先にあるものを、イメージさせてください。「自分がやりたいこと」を実現すると、それは誰に、またはどんなところに、どのように喜んでもらえるのか?、どのような貢献があるか?という感じです。
 
 
  
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キャリアを描く~その2「自分がやりたいこと」

<管理職からの質問>
管理職の困った顔 職員にキャリアを描かせる方法について、「自分にできること」その関連で「職務経歴書の書き方」を教えてもらいました。次に、部下にはどのようなことをさせればよいでしょう?
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<解説>
社労士 今回は、「自分がやりたいこと」を考えてみてください。
 例えば、自分自身で興味があること、楽しい・面白いと感じること、充実感を覚えることは何でしょう?
 身近な仕事の中から、体験した中から、見たり、聞いたりした中から、
 自然に見つかったり、または探しに探した結果発見したりすることもあるでしょう。
 動機や欲求、見つけたタイミングなど人さまざまです。
自分のやりたいこと 
 ズバリこれだというものがなくても、何となくでも構わないのですが、大切なことは“その思いが続く”ということです。一時的な感覚や感情で、次から次へと仕事への思いが変わるのでは、本格的にやりたいことにつながっていきません。
 他者との比較ではなく、自己の中に“ぜひやり続けたい”という確固たる思いがついてくると本物です。
 
 ただし、「やりたいこと」が実際の仕事になるか、現実的に続けられるかどうかはわかりません。いろいろな事情や状況のため、実現しないこともたくさんあります。ですから、実際に実現しているかどうかではなく、継続して「自分がやりたいと思っていること」を考えさせてみてください。
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<ポイント>
! 「自分がやりたい」と思っていることを考えてもらうのですが、実際に実現しているかどうかではなく、継続して思っていることが大事です。それは具体的でなくても、何となくでも構いません。長い人生の中で少しずつ鮮明にしていけばよいでしょう。

 
 
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マネジメントとは(定義)

<管理職からの質問>
管理職の困った顔 マネジメントについて、この機会にきちんと学んでおきたいと思うのですが、どのように定義されているでしょうか?
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<解説>
社労士 部下の管理という視点ではなくレベルを上げて、組織的な観点から“マネジメントの定義”について、考えてみましょう。
 
 マネジメントも時代によって変化し、また考え方によって諸説ありますが、一般的には次のように考えられています。
 
■マネジメントとはマネジメントとは
 ①組織の目的達成のために
 ②経営資源を
 ③効果的、効率的に活用すること
 
なお、
 ①組織の目的とは
 ・組織がその事業活動によって実現したい到達状態のことで、「組織理念の実現」と「組織目標の到達」という2つの側面があります。後者には「収益の確保」や「事業の存続」などが挙げられるでしょう。
 
 ②経営資源とは
 ・ヒト…従業員、役員など組織に属する人材
 ・モノ…組織がもつ製品、施設、設備、備品など
 ・カネ…事業活動のための資金
 ・情報等…ノウハウや技術などを含めた種々の知識
と理解してください。
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<ポイント>
! マネジメントとは、組織の目的達成に向けて、経営資源を、効果的、効率的に活用することです。あなたの組織にあてはめて、考えてみてください。


 
 
 
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news letter 2011年06月号

人事マネジメント研究所 進創アシスト 発行の「 news letter 2011年06月号 (pdf)」です。ダウンロードしてご覧ください。  http://blog.livedoor.jp/shinsou_assist/newsletter/201106.pdf newsletter_201106
 
 
↓ news letter 紹介の図書

 
 
 
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