絶対評価と相対評価の特徴については説明でよくわかりましたが、ではどちらを使えばよいのでしょうか?
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<解説>
人事評価は絶対評価でなければならないとか、相対評価が完全に優れている、というものではありません。それぞれの評価には長所と短所がありますので、まずは絶対評価のそれらを確認してみることにしましょう。
●絶対評価の長所●
(a) 評価基準に基づいて評価するので評価しやすく、本人の納得も得やすい。
(b) 部下のできていないところは何かがよくわかるので、これをフィードバックすることによって本人の能力開発に結びつけられる。
(c) 目標面接やフィードバック面接のときには評価基準を基に話し合うため、話題が予め準備されていることになるので、上司はそれを活用すればよい。
(d) 評価の要素や基準を企業や職場の実態に合ったものを作ることができる。
(e) (d)の延長線上にあるが、企業や部門の目標と個人の目標とを関連づけやすく業績や成果に結び付けやすい。
■絶対評価の短所■
(f) 評価する上司の能力によって評価に差がでやすい。
(g) 上司の評価の癖によって評価が甘い(寛大化)傾向、または辛い(厳格化)傾向が生じてしまい、分布が偏ってしまう。
(h) (g)の影響を受けると賞与や昇給などの処遇との調整が難しい。評価が全体に甘いと賞与などの原資が不足し、反対に評価が全体に辛いと原資が余ってしまうことになる。
(i) 評価の基準作りが難しい。完璧な基準などは、そもそも作成することはできないため運用がポイントとなる。上司が評価制度の狙いをよく理解し、フィードバック面接などをきちんと行なうなどしなければ形骸化してしまう。
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<ポイント>
絶対評価も相対評価も完璧なものではありません。それぞれの長所と短所を上司としてもよく理解して、実際の評価にあたることが必要です。
簡単にまとめてみると、絶対評価の長所は基準が明確であること、短所は評価する上司の能力や癖によって評価に差がでやすいことです。
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