<管理職からの質問>
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<解説>
人事評価は難しいので、自分の会社ではできないとあきらめていませんか? 確かに人事評価は簡単ではありません。人事制度の中で最も難しい部類に入るといえるでしょう。しかし、それであきらめてしまっては、能力や役割に見合った処遇という本来の姿は実現しません。また、組織管理や部下指導を放棄していると指摘されても仕方ありません。その結果、優秀な社員はやりがいをなくし、流出していくことになるでしょう。難しいながらも人事評価を取り入れ、それを利用して組織を動かしていくことが大事なのです。
人事評価制度の取り組みで、私が素晴らしいと思えた事例を紹介しましょう。
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■人事評価制度導入を私が支援したある社協(社会福祉協議会)
以前から旧態然とした人事制度を見直さなければならないと考えていましたが、社内で検討を重ねるものの結論が出ず、先に進めませんでした(=人事制度を新しくすることができませんでした)。
そこで、私が関与して給与制度、人事考課制度、教育研修制度のいわゆる人事制度全般を改革、導入しました。
一番の難関は、人事評価制度の運用。
制度の仕組みはできたものの、実施にあたっては計画通り進めることができず、足踏み状態。
各部署で評価すべき時期に評価せず。面談もズレにズレて、一部では実施せず。
部下の方からは「これで適正に評価してもらるのか?」という疑問の声が出、評価者間でバラツキが目立ち、評価者も次第に「部下を評価すること」に対して自信を無くしていくことに。
やむを得ず制度の本格的な運用は1年遅らすことに。
その1年間に事務管理の責任者が、とにかく評価や面談等を計画通り進めること、制度運用の再確認、仕組みの微調整を毎月のように図り、評価者研修も重ねるということを率先して取り組まれました。(責任者の部下も素晴らしい働きをしました。)
その結果、平成25年度から人事評価制度の本格的な運用が可能になったのです。
この事例の何が素晴らしいか?
決意と行動です。さらに継続していることです。
やるべきことは決まっています。それをやり切れるかどうかです。
特に人事評価制度は、このことに尽きるといっても過言ではないでしょう。
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人事評価制度は、人事制度の中でも最も難しい部類に入るでしょう。できないと諦めたり、軽々しく考えたりしていては、本当に使えるものにはなりません。
上記で紹介した社協の事例から「やるべきことをやり切る」、その決意と行動を学び、実践してください。