<管理職からの質問>
管理職の困った顔 部下に仕事をやらせるのですが、出来栄えが今一つだと思っています。あるとき、一人の部下から私(上司)の求める期待に応えようと頑張ってはいるのですが、100点満点の結果が出せないため、落ち込んでいるという話がありました。上司としてどのようにすればよいでしょうか?
 
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<解説>
社労士 「100点満点の仕事」「○○のミスを0件にする、○○を0%にする」というようにひじょうに高いレベルのものを部下に求めていませんか?
 
 テストで100点満点を取ろうとすると、出題範囲の全部を覚えておかなければなりません。いくら過去100点満点を求めないに出ていなくても絶対に出ないという保証はありませんから。
 
 しかし、一定の合格点数を取ればいいのであれば、出題範囲のある程度の重要項目だけを押さえておくだけでいいのです。全部を覚える必要はありません。例えば、80点を目指そうとすれば、20点は捨てることができます。80点を取る勉強の量は出題範囲の50%程度です。とすれば、残り20点が50%程度の量となります。だいたいこのような割合ですので、20点を取ることがいかに非効率的かがわかるでしょう。
 
 仕事でも同じです。100%仕事、完璧なものを目指そうとすると、起こる確率のひじょうに低いものまで対策を講じなければなりません。それでは、仕事が進みません。
 
 もちろん、欠かせない内容は確実に押さえておかなければなりません。それは、80点を“確実に”取れるように仕事の質を高めていくということです。80点が偶然に取れたというのではダメです。
 
 また、捨てる20点の範囲、いわゆる準備していない範囲で想定外の事態が起きたときには、それをどう把握し、どのような対応をすれば適切かを考えておくようにしてください。これは、具体的な問題を一つひとつ想定するのではなく、想定外の事態についての対応パターンを自分自身の中に持つということです。2,3つの対応パターンが必要なこともあるでしょうが、具体的な問題をすべて考えることに比べれば時間は圧倒的に少なくて済みます。臨機応変な対応力もつきますので、この方向で部下を指導してください。
 
 
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<ポイント>
! 100点満点の仕事はさせないようにしましょう。起こるか起こらないかわからないことまで想定して仕事をするのは非効率的です。80点程度の結果を確実に出せるような方向で仕事をさせ、想定していない20点の範囲のことが出てきたら、それをどう把握し、どのような対応をすれば適切かというパターンを考えさせるとよいでしょう。