厚生労働省 「事業主の方へ給付金のご案内」
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/e-top.html
「介護労働環境向上奨励金」 PDF
人事コンサルタント・社会保険労務士・社会福祉士
代表 鷹取敏昭
e-mail : shinsou-assist@goo.jp Fax 050-3737-5530
※ 「介護雇用管理制度等導入奨励金」での支援実績(3件)あり
◆部下の人事評価・労務管理・職場のマネジメントに必要な考え方やツール、情報をピックアップしてお届けします。 ◆特に、医療・福祉分野の方向けにまとめていますが、一般企業の方にもぜひ参考としていただければ幸いです。 ◆担当は、人事総務部サポーター・現場管理職サポーターでアンガーマネジメント・ファシリテーターの『人事コンサルタント鷹取 人事マネジメント研究所 進創アシスト 代表』より。 【無断転載・無断複写禁止】
<管理職からの質問>
20歳代の若手の従業員の中には、学校で勉強してきたのでしょう、自分のキャリア形成についてしっかりした考えを持っている者がいます。私たちの頃にはそんなことを考えていなかったので羨ましく思う一方、その考え方に固執してしまい指導に困ることがありますが、どう対応すればよいでしょうか?
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<解説>
入社時の資質の印象について、興味ある調査結果があります。(*)
主に20歳代では「会社内で業務に取り組む中で自らのキャリアが高まると考える」よりも「自らのキャリア形成や職業生活設計に関心が高い」の方が割合として高いという結果です。これが30歳代以上では割合が逆転し、さらに年齢が高くなると前者の割合が大きな割合を占め、後者は少なくなります。
自らのキャリア形成等に関心が高いことはいいのですが、現実として考えると自分が思い描いているような道筋をその通りには殆ど進めません。そのときに、挫折を感じてやる気を失い、最悪の場合は離職という決断をしてしまうことになります。
そうならないために、キャリアというものを中長期的に考えさせる癖をつけさせることが大事でしょう。5年位先の自分のありたい姿を描かせつつ、当面の課題に挑戦させるようにしてください。職業経験の浅い時期は、当面の課題への取り組みを通して仕事への基本的な取り組み方や社会的なルールを身につけることが将来のキャリアに役立つことを説明し、理解させることが必要です。
当面の課題に取り組む時には、日常の報連相が大切なことはいうまでもありませんが、3か月または半年に1回程度は1対1の個別面談を行ってキャリアに対する前向きな考え方を失わせないようにしておきましょう。場合によっては、考えていたキャリアの内容が変わってくることもありますが、それを最初から否定せず話を聞いてあげてください。会社の業務に沿った内容になるかもしれません。後ろ向きな考え方になっているのであれば、軌道修正させるようにしてください。
(*)入職初期のキャリア形成と世代間コミュニケーションに関する調査/労働政策研究・研修機構
http://www.jil.go.jp/press/documents/20110620.pdf
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<ポイント>
主に20歳代では「自らのキャリア形成や職業生活設計に関心が高い」が高いようです。しかし、現実的には思い描いているキャリア通りに進むわけではなく、思惑とは違っても当面の課題に取り組み、挑戦しなければなりません。そのときに、中長期的な視野を持たせつつ、基礎的な力をつける時期であり、それが将来的にキャリアにいかされていくことを説明し、理解させることが必要です。
<管理職からの質問>
わが社への就職を希望している者が、先日職場見学に来ました。いろいろな質問をして興味を持ってもらいましたが、昼食を一緒に食べたときに「個性」という言葉をしきりに出して話をしていましたが、このような最近の若者にはどのように仕事というものを考えさせたらよいでしょう?
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<解説>
今は「個性の時代」と言われ、個性を活かすことを声高に叫ばれたりします。
個性とは、他の人とは違う、その個人にしかない性格・性質のことです。
確かに、どんな人にも個性はある。大卒者だけでなく、高卒、中卒の者にも備わっています。
しかし、それは経済社会から認められる個性ではまだありません。それを売りにしても誰も買わない。見向きもしてくれません。
経済社会から認められるためには、基礎的な力を身につけた上で、専門的な力を獲得することが必要です。
基礎的な力や専門的な力は、仕事をする中で獲得できます。
社会人の経験のない未熟な者を「仕事」というものを介して、会社が面倒を見てくれて、育ててくれるというのであるから利用すべきです。
それはなぜか? 会社は、経済社会から認められる専門性の高い個性的な者をたくさん所属させることができれば、事業が思うように展開できる可能性が大きくなるため、未熟な者であっても投資をするのです。
また、最近「自分探し」という言葉もよく耳にします。
自分は、他人と関わる中でのみ見つけることができるのではありませんか。自分一人だけでは決して自分は見つかりません。
他人との関わりは日常の中にたくさんあり、その一瞬一瞬を大切に向き合い、取り組むことだと思います。
他人との関わりの延長上に仕事があると考えるとよいでしょう。
誰しも仕事を本格的に始めなければいけない時期は来ます。条件が良くて好きな仕事ができれば良いが、そんなことはほとんどありません。
そんな時期に迷いが生じますが、会社を探す際、基礎的な力を身につけさせてくれるところを選ぶとよいと思います。
「個性を活かす」「自分を探す」のは、基礎的な力が身についていることが前提となるからです。
基礎的な力の次に専門的な力を身につけるように努力するとよいでしょう。
当初希望とは違う仕事に就いたとしても、今の時代転職はタブーではなくなりました。そして、専門性が高く他人とは違う力をもっていれば、別の角度から希望していた仕事に近づいていける、または関わっていくことができるようになると思います。
急がば回れとはよく言ったものです。
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<ポイント>
「個性を活かす」には、基礎的な力をつけた上で、専門的な力を身につけることが必要です。それには会社に入って、仕事に一生懸命取り組むのです。次第に、専門性が高く他人とは違う力をもつようになれば、自分のやりたいことが実現する可能性が広がります。それが「個性を活かす」ことであったり、「自分を探す」ことになるのです。
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<他者に学ぶ>
「自分探し」で思い出したことがあります。よしもと新喜劇の役者でチャーリー浜さんをご存じでしょうか。彼のギャグに「あなたがいるから僕がいる」というものがありますが、自分を探している方はよく考えてみてください。哲学的な深い意味をもっていると思いませんか。
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<管理職からの質問>
「自分にできること」「自分がやりたいこと」「自分がやりたいことの先にあるもの」を考えることでキャリアを描く(デザインする)ことができるでしょう。しかし、現実的にはそのようにいかないことが殆どだと思います。そうであればキャリアデザインをどのように考えるとよいでしょうか?
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<解説>
ブログ記事「一つの出会いを活かして、次の出会いを呼び込む」の中で、キャリアは偶然の出会いによって、大きな影響を受け、方向が変わることがあると書きました。確かに、いくらキャリアデザインを明確に描いても、人や仕事との偶然の出会いがキャリアの方向性を大きく変えることになるのが実際でしょう。(キャリア研究の中でも「キャリアは偶然性に支配されている」という理論があります。)
キャリアデザインを考えるにあたって、その偶然の出会いを呼び込む力が重要であり、さらにはその機会を活かす力が重要になります。そして、それらの力をいかに高められるかが、キャリアに大きく影響するでしょう。ただ単に偶然を待って、自分の望む方向であれば喜び、望まない方向であれば落胆するのでは、主体的なキャリアにはつながっていかないでしょう。
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<ポイント>
キャリアデザインを考えるときには、人や仕事との偶然の出会いを呼び込む力、さらにはその機会を活かす力が重要で、それらの力をいかに高められるかが、キャリアに大きく影響するでしょう。
<管理職からの質問>
職員にキャリアを描かせる方法について、「自分にできること」その関連で「職務経歴書の書き方」を教えてもらいました。次に、部下にはどのようなことをさせればよいでしょう?
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<解説>
今回は、「自分がやりたいこと」を考えてみてください。
例えば、自分自身で興味があること、楽しい・面白いと感じること、充実感を覚えることは何でしょう?
身近な仕事の中から、体験した中から、見たり、聞いたりした中から、
自然に見つかったり、または探しに探した結果発見したりすることもあるでしょう。
動機や欲求、見つけたタイミングなど人さまざまです。
ズバリこれだというものがなくても、何となくでも構わないのですが、大切なことは“その思いが続く”ということです。一時的な感覚や感情で、次から次へと仕事への思いが変わるのでは、本格的にやりたいことにつながっていきません。
他者との比較ではなく、自己の中に“ぜひやり続けたい”という確固たる思いがついてくると本物です。
ただし、「やりたいこと」が実際の仕事になるか、現実的に続けられるかどうかはわかりません。いろいろな事情や状況のため、実現しないこともたくさんあります。ですから、実際に実現しているかどうかではなく、継続して「自分がやりたいと思っていること」を考えさせてみてください。
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<ポイント>
「自分がやりたい」と思っていることを考えてもらうのですが、実際に実現しているかどうかではなく、継続して思っていることが大事です。それは具体的でなくても、何となくでも構いません。長い人生の中で少しずつ鮮明にしていけばよいでしょう。
<管理職からの質問>
私は転職経験がありませんので「職務経歴書」を書いたことがありません。部下にキャリアを描かせるにあたって、書かせてみようと思いますが、どのようにすればよいでしょう?
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<解説>
「職務経歴書」という名称を初めて聞く人にとっては取りつきにくく思えるかもしれませんが、難しく考える必要はありません。次の項目について、書き上げてみましょう。
携わった仕事の内容について …できるだけ具体的に書きましょう。
取得した資格や免許について …取得にまで至らなくても自主的に勉強したことも書き上げてみてください。
その仕事で身につけたこと …知識や技術など小さなことでも構いません。
得意なこと、好きなこと …熱意をもって取り組んだことや上司から褒められたことも書いてみてください。
仕事の中でやりがいや喜びを感じたこと …利用者や家族、職場の同僚などから喜ばれたり感謝されたりしたことも挙げてみましょう。
最初からきれいにまとめる必要はありません。メモ書きを少しずつ増やしていくような感覚で書き始めてみてください。慣れてくれば、最初書いたメモに追記することもやってみるとよいでしょう。今まで自分で気づいていないことが発見できるようになります。
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<ポイント>
「職務経歴書」は決まった様式がありませんので、項目ごとに整理しながらまとめさせるとよいでしょう。ポイントは、具体的に書くことです。そのためには、小さな事柄を拾い上げることが大事です。
ハローワークインターネットサービス「職務経歴書の書き方」が紹介されていますので、参考にしてみてください。
https://www.hellowork.go.jp/member/career_doc01.html
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「介護職員処遇改善交付金」申請で必要とされるキャリアパス その設計と活用ポイント に、とてもたくさんのアクセスをいただいています。こちらも参考にしていただけると幸いです。
<管理職からの質問>
頑張って能力を高めると出会いが生まれやすいことはわかりましたが、能力がそう高くなくても、良い出会いに恵まれる者がいますが、どうしてでしょう?
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<解説>
前回のblog「一つの出会いを活かして、次の出会いを呼び込む」で、出会いがキャリアに影響し、方向性が変わることがあること。そして、さらに次の出会いを呼び込むためには、日々仕事で良い評価を得られるよう努力し、力をつけておくことが必要と説明しましたが、能力以外にも押さえておいてもらいたいことがあります。それは、人柄です。
人柄の良し悪しで、関係性は大きく変わり、そして出会いも変わります。自分が将来望む方向に進むための出会いを得たいと思えば、その方向で好まれている人柄を身につけているとよいでしょう。一般的には、次のような要素について品格を高めたり、他人に興味を持ち関係づくりが上手だったりする、好まれます。
人柄の要素
・挨拶
・言葉遣い
・身だしなみ
・動作、表情(愛嬌やユーモア)
・気配り、心配り(思い遣り)
・人間関係づくり
他人から好かれている者には協力者が出てきますので、出会いの機会は増えます。一方、好かれていない者には協力者が出てきませんので、出会いの機会は少ないでしょう。
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<ポイント>
次の出会いを呼び込むためには、“人柄”も影響します。品格を高め、他人に興味を持ち関係づくりが上手たと、好まれます。好まれると協力者が出てきますので、出会いの機会は増えます。
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<管理職からの質問>
たまたま偶然に出会ったことに影響されてしまうことも多く、キャリアは自分一人で作れないのではないかと思うのですが、間違っているでしょうか?
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<解説>
職務経歴、いわゆるキャリアは偶然の出来事によって影響を受け、方向が変わること、または変えなければならないことがあります。社会的、経済的な出来事によって左右されることは容易に理解できます。最近であれば、東北地方大震災やリーマンショックで、キャリアが大きく変わった方々も多いでしょう。
その他にも、人や仕事との出会いでキャリアの方向も変わることもあります。私は、この出会いは非常にキャリアにとって非常に大きな意味をもつと考えています。私自身、さまざまな人や仕事との出会いによって、今日の私があると思っています。
この出会いをどの程度活かせるかで、キャリアは変わってきます。最初の出会いは偶然であっても、それをきっかけにして、次の出会いはある程度作ることができます。ただし、待っているだけではだめで、出会いを呼び込む働きかけが必要です。
そして、呼び込んだ出会いを活かすためには、自分自身に力をつけておかなければいけません。周囲から良い評価が得らるような仕事をしていれば、次の出会いを周囲が与えてくれることがあります。しかし、仕事の評価が良くなければ、そのような機会には出会うチャンスは得られないでしょう。
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<ポイント>
キャリアは偶然の出会いによって、大きな影響を受け、方向が変わることがあります。その機会を活かし、次の出会いを呼び込むためには、日々仕事で良い評価を得られるよう努力し、力をつけておくことが必要です。
進創アシスト 鷹取...