人事コンサルタント鷹取が贈る「人事評価・労務管理・人材育成」入門

◆部下の人事評価・労務管理・職場のマネジメントに必要な考え方やツール、情報をピックアップしてお届けします。 ◆特に、医療・福祉分野の方向けにまとめていますが、一般企業の方にもぜひ参考としていただければ幸いです。 ◆担当は、人事総務部サポーター・現場管理職サポーターでアンガーマネジメント・ファシリテーターの『人事コンサルタント鷹取 人事マネジメント研究所 進創アシスト 代表』より。 【無断転載・無断複写禁止】

職場のマネジメント

自分を正当化するための『確証バイアス』

自分の考えていることを正当化しようと
都合のよい情報ばかりに注目して物事を見たり
それを元に判断したりすることがあります。
これを確証バイアスといいます。
 
それは、自分の立場や信念を守りたいため
自分に都合のよい情報を鵜呑みにし
逆に都合の悪い情報を無視したり
歪曲したりしてしまうのです。
また、一貫した行動や発言をしようとするため
一度決めたことを貫きたいという欲求で
その信念を貫くために
都合のよい情報ばかりに目を向けがちになります。

確証バイアスの考え方や言動をしたり、されたり、
思い当たることはないでしょうか。
私が気をつけているのは、
インターネットで知りたい情報を集めようとする、そのときです。
 
 
ワンポイントメッセージ:
 確証バイアスを起こさないよう都合の悪いものにも目を向ける
 

コラム『あなたも新人の頃があったはず』

私たちは現時点でものごとを考えて行動しがちで、
その高いレベルから新人や後輩を指導・注意してしまいます。
しかし、特に新人や後輩は
まだ知識やスキルが十分ではありませんので、
その指導・注意についてこれません
結果、上手くできず失敗してつまづいてしまいます。
 
それに対して、つい、きつい口調や厳しい態度になってしまったり、
または、ダメなヤツだと烙印を押してしまうこと、ありませんか。

過去のことを思い出してみてください。
あなたも新人の頃があったはずです。
その頃に立ち戻って
  • 何がわからなかったか
  • どう教えて欲しかったか
を考えてみましょう。
そうすると適切な指導や注意の仕方のヒントが見えてきます。

これが社員・職員の定着につながるヒントです。
役職者研修のコンテンツの一つです。
 
 
 

3日間リーダーが不在、あなたの職場ではどう対応しますか?

親に介護が必要になった、
家族が病気になったという出来事は
突然やってきます。
そして、対応しないといけませんので、
いつものようには行動できなくなります。
準備していなければ、上手く対応出来ません。
準備していても、いざその時が来ると
アタフタしてしまうことも少なくないでしょう。
また、時間に大きな制約がかかるため
いつもであれば普通に出来ることも
出来ないことが出てきます。
その時、周囲の人に
  • どう頼るか
  • どうお願いするか
  • 助けてもらうか
職場での普段からの関係性がここに出てきます。
これは、介護や病気のケースだけではなく
いろいろな職場のリスクマネジメントにも通じますし
生産性にもつながります。
時間の制約について、
職場で普段からシミュレーションしてみてください。
「今日から3日間、リーダーが不在です。どう業務を回しますか?」
極端な例を出すと真剣になってくれませんので
介護や病気などのケースを用い、
まずは2,3日の不在がリアリティがあります。
 
 
ワンポイントメッセージ:
 “介護や病気”は突然来る。人に頼る前準備を普段から。
 

「当たり前」が当たり前“じゃないかも”

いろいろなことに対して瞬時に判断をしている。
 
忙しい中では必要なこと。

その瞬時の判断は無意識のうちに行っている。
例えば、自動車を運転するとき、
一つひとつの動作を考えてはいない。

それは脳や体が覚えていて、特に問題がなかったから。
この無意識の判断には、基準を持っている。 良いか、悪いか。 しかし、この基準が
人と人との関係においては、
合っていないときがあり、 それが問題やトラブルを起こすことがある。 昭和の時代は、基準の違いも近かったが、 令和は、多様性の時代と言われ、違いは大きくなっている。 基準をわかりやすく言えば 「当たり前」という言葉に置き換えることができる。 私の「当たり前」と相手の「当たり前」が違う。 そこで、「当たり前」が当たり前“じゃないかも” そう意識することが大事。 ただ、咄嗟(とっさ)のときには意識できないので 普段から“じゃないかも”を考える習慣にしておく。     ワンポイントメッセージ:  当たり前“じゃないかも”を普段から習慣に  

新しいことへの挑戦、まずは小さく

新しいことに小さく挑戦する
 
変化の非常に激しい時代となってきました。
変化へ適用できるよう自らも変わることが大事と言わますが
どうすればよいか悩む方も多いのではないでしょうか。
 
まずは、小さなことに挑戦してみましょう。
例えば、
  • コンビニで会計したときスタッフに「ありがとう」と言ってみる
  • 駅で年配者や障害者へ「お先にどうぞ」と順番を譲ってみる
そのとき、相手の反応を見てみてください。
笑顔を返してくれると嬉しくなります。
ただし、反応がないときもありますが、
そこに期待をかけないようにしてください。
あくまで、自分が変化することが主眼です。
そこを振り返りましょう。
出来なかった、やれなかったことが
出来るようになった自分を褒めてください。
その小さな繰り返しが、
大きな結果につながるでしょう。
 
職場でも同じ。
終業帰宅前に、鏡の前に立って笑顔づくり。
その笑顔で「お疲れさまでした」と言ってみてください。
 
 
ワンポイントメッセージ:
 まずは小さな挑戦に取り組む
 

見えていないものを観る

見えていないものを考えてみましょう、観てみましょう
 
情報は自分にとって都合のよい解釈をしがちです。
インターネット検索は、自分の検索履歴が反映され
興味のある情報が上位に表示されるようですから
それは、ある意味偏っていますので
都合のよい解釈という傾向はより強くなるでしょう。
これは、無意識の偏ったものの見方につながります。
いわゆる、アンコンシャスバイアスです。
 
介護の現場で
利用者さんに朝の挨拶をして、返事が返ってくると
いつもと変りないと思ってしまいます。
忙しいと特に、そう判断してしまいがちです。
自分に都合のよいように。
しかし、様子がちょっと違うかもしれません。
挨拶のとき、アイコンタクトをとっていれば気づけたものが、
見過ごしてしまっていた!なんてことはありませんか。
 
普段からトレーニングと思って、頭の中で
「ちょっと違うかもしれない(確認してみよう)」と
意識して行動に移すことが大事です。
 
 
ワンポイントメッセージ:
 自分にとって都合のよい解釈ではないかと疑う
 

やらなければいけないことがたくさんあっても、できることは一つ

やらなければいけないことがたくさんあっても、できることは一つ
 
やらなければいけないことが集中するときはあります。
介護の現場では日常的かもしれません。
優先順位を考えることはわかっていても
あれも、これも、それもと
いろんなことが頭から離れなくなってしまえば
少しパニックにもなります。
結果、どれもが中途半端になってしまうでしょう。
 
落ち着きましょう。
まずは深呼吸。慌てているときは呼吸が浅くなっています。
次に「たくさんあっても、取り組めることは一つ」と
割り切ります。すべてのことは一度にできません。
 
そして、優先順位を考えます。
  • 期限が迫っていること
  • 重要度の高いこと
  • 利用者さんの体調に大きく影響のあること
この軸は普段から意識し、考えておいてください。
焦っているときは、軸が決まりません、ブレます。
そして、他の職員に振れるものは頼むことも大事です。
 
 
ワンポイントメッセージ:
 深呼吸、一つに決める、他の職員に頼る
 

出来ないことはやらない、断る

出来ないことまで引き受けてしまうと苦しくなります。
また、相手のペースにはまってしまうことにもなります。
自分の出来る範囲で頑張りましょう。
出来ないことは断りましょう。
 
この時のポイントは、時間です。
あなたの時間は無限にはありません。有限です。
すべてを犠牲にしてはダメです。
限られた時間の中で、
自分に出来ることをやると決め、断りましょう。
相手の要求をすべて聞かなければならないということはありません。
断ることは最初勇気が必要ですが、
思い込みを捨て、考え過ぎずにあっさりと伝えましょう。
出来ることと出来ないことを分けて
出来ることに注力しましょう。
 
介護の現場で、役職に就いている上司や先輩もそうです。
チームなのに一人で抱え込んでいませんか。
長い目で見たときに、
断ること、人に頼るのは恥ずかしいことではありません。
あなたの努力を見ているチームメンバーはいます。
 
 
ワンポイントメッセージ:
 出来ることと出来ないことを分けて、出来ることに注力
 

“相手の意見や考えを最初から否定してしまう”思い込み

blog「気をつけたい“思い込み”
blog「
“相手の意図を誤解してしまう”思い込み
blog「“相手の話に耳を傾けない”思い込み」続き
 
コミュニケーションをとる上で、
思い込みが強く入って偏っていると
“3.相手の意見や考えを最初から否定してしまう”
ことがあると書きました。
 
相手を厄介な人間だ、敵だ、と思い込んでいると
相手の意見や考え、理由を聞かずに
最初から否定してしまいます。
いわゆる、レッテル貼りの状態。
 
このひどいケースとしては
介護の現場での敵対するグループ間。
ベテランの中核職員同士の仲が悪く、
おおっぴらにはしませんが、
バトルを密かに繰り広げている。
お互いがお互いを否定しあっていて
“あなたはどっちにつくの?”と投げかけ、
相手側についたら、ひどいいじめに遭い、
どちらにつかなくても、無視される。
 
相手の全否定からは何も生まれません。
あなた自身も全否定されることにつながってしまいます。
感情からではなく、事実に意識を向け話をしましょう。
本人達だけで難しいのであれば、
上司や先輩などが仲立ちとして、
事実で話をすることを重ねてください。
 
ワンポイントメッセージ:
 レッテル貼りの思い込みは、あなたにもレッテルが貼られる。
 

叱るときにやってはいけないこと③

叱るときに、人によって叱り方を変えるのはダメです。
例えば、
特養(特別養護老人ホーム)で
引き継ぎ時刻に申し送りノートが書けていないことについて
 年下の後輩に対して、厳しく「ダメじゃないか」と叱責するのに
 年上の後輩や同僚に対して、(わかっているのに)何も言わない
 
この場合、年下の後輩は「私だけなぜ叱られるのか?」と
疑問に思い、それが不信につながり、
結果、注意された内容より
“あの人に理不尽に叱られた”
という気持ちだけが残るだけになってしまいます。
叱るときにやってはいけないこと①
“叱る基準を変える”にもなってしまいます。
 
 
ワンポイントメッセージ:
 人を見て叱り方を変えると信頼されなくなります。
 

叱るときに押さえておくこと

“叱る(叱られる)”ということに
相手が否定的なイメージを持っていると、
傷ついたり、反発したりすることがあります。
これは相手の感情ですので、
こちらがコントロールすることはできません。
 
そのため、叱るときには次の点をよく理解して、
注意することが大事です。
  • 「~して欲しい」と要求を具体的に伝える。
  • 叱る理由や目的を明確にする。
  • 相手の立場に立って、理解できる言葉で伝える。
  • 落ち着いて伝え、感情的にならない。
  • 叱った後に、必要に応じて相手をフォローする。
これらは普段から考え、準備しておかなければできません。
 
また、叱るだけではなく、
普段から
ほめるなどのポジティブなコミュニケーションをとることで、
より効果的に相手の行動を改善することができるでしょう。
 
 
ワンポイントメッセージ:
 “どう叱るか” 普段から考え、準備しておく
 

叱り方がわからなくなっている

理不尽な叱り方はパワハラになります。
それが減ってきたのはよいことです。
一方、叱ること=(すべて)悪いことというイメージが
広がり、強くなってしまっているかもしれません。
叱ってはダメという考え方をもっていると
叱り方がわからなくなってしまいます。
 
逆に、叱られることの経験が少なく過ぎて
叱られたことをきちんと受け止められていない人もいます。
 
この状況の良い悪いではなく、
上手に叱る
適切に叱る
これからどうすればよいかそれを考えていきましょう。
 
 
ワンポイントメッセージ:
 どう叱ればよいのか、受け止めればよいのかお互い考え向き合っていきましょう。


叱ることは悪い?

叱ることは悪い、良くないと考えているのであれば
それは考え直してもらった方がよいでしょう。
 
今は、パワハラ(パワーハラスメント)防止法が施行され
また褒めて育てることが大事だと言われていますから
叱ることは悪い、良くないと考えてしまいがちです。
 
しかし、
良くないことをしたら、
ルールに違反したら叱る、注意するということは必要です。
そうしないと、
良くないことが認められるんだ、違反してもOKなんだと
考えられてしまえば
規律や秩序が危うくなります。
ただ、だからといって、どんな叱り方でもいいかというと
そうではありません。
適切な叱り方を身につけていきましょう。
(改めて記事にします)
 
 
ワンポイントメッセージ:
 良くないことをしたら叱る、これは必要なこと


■コラム■ 感情はまずは身体の反応から/人事コンサルタント鷹取

感情表現は難しい!? 
喜怒哀楽という言葉は知っているが、うれしい、ムカついた、かなしい、たのしい程度。それでは単純すぎると思うことがよくある。感情には濃淡があったり、深い浅いがあったりするのに、それを納得するようにつかめていないし、表現できていない。自分の感情を表現するのは難しいと思う人が少なくない。
なぜか、感情を口にすると「大人げない」「ものわかりが悪いと思われる」「そんなことで怒ってはダメ」「言うと周りに迷惑をかける」そんな習慣が自然とついている。
確かに、そういう場面も必要なことはある。しかし、すべての場面で感情を抑え込み続けていると、自分の感情がわからなくなり、言葉が出なくなる。
 
精神的ストレスは高まっている 
仕事柄、つらいときにつらい顔ができないなど自分の感情を抑制せざるを得ない人もいる。医療や福祉の従事者などは感情労働者と言われ、その典型だ。
しかし、飲み込んだ気持ちがどこかにいったり、消えたりすることはほとんどなく、「まあいいや」が溜まりに溜まって爆発することも少なくない。爆発したことで後悔し、自分をさらに追い込んでしまうという悪循環に陥り苛まれたりする。感情を抑制することによる精神的ストレスは非常に高まっている。
 
感情はまずは身体反応から 
自分の感情をつかみ、表現することが注目されはじめているが、感情は生理的な現象で、コントロールできるのは、感じた上でどう対処するのかなのだ。感じることそのものをコントロールすることはできないと科学的に証明されるようになってきた。ということはまず、身体に起きている反応をしっかりつかむこと。
例えば、私の身体は今こんな状態なんだということを自覚する。その反応は善し悪しではない。そして、身体の反応を正しく言葉にしてみる。「肩に力が入っている」「目線が上げられずうつむいている」という状態でもいい。言葉が上手く出てこなければ、オノマトペでもいい「ドキドキする」「カッとなっている」とにかく表現してみる。
感情を理解するには、まず自分の身体の反応に正直になること。そこに嘘をついてしまうと、感情に蓋をしてしまうことになる。そして、落ち着いてから当てはまりそうな言葉を探すという順だ。
それができたら、家族や友人など話しやすい人に出来事を話してみよう。そのときに、身体がこんなふうになった、反応したというところからはじめ、気持ちを伝える。
感情に誠実になる、そのトレーニングだ。
 

大阪府社会福祉協議会「労働セミナー」に鷹取が登壇~人材確保・定着のためのポイントをレクチャー、ディスカッション&ワーク

大阪府社会福祉協議会で開催される「労働セミナー」に講師として登壇します。
 
■開催目的:
福祉業界において、人材の確保と定着がますます大きな課題となっており、働き方改革を踏まえた職場環境整備が不可欠。
本研修では、福祉人材の育成及び定着を実現していくための環境整備のあり方や効果的な実践方法を学ぶ。
c3155-1
■受講対象者:社会福祉施設長及び管理担当職員 130名
■日時:令和元年6月3日 13:30~16:30
■内容:「人材定着につながる働き方・働かせ方~自らの職場を振り返って~」
 ・やりがいをもって働ける環境の整備
 ・人材確保・定着のためのポイント
 ・社会福祉法人が留意すべきポイント
 ・働き方改革関連法の概要説明
 
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ご担当の方と打合せを行ないましたが、案内して10日程にもかかわらず定員の半数を超える70数名から申込みがきているとのことです。
それだけ、人材の確保・定着に課題や悩みを抱えている社会福祉施設が多いのでしょう。
しっかり準備して、講師を務めさせてもらいます。
 
大阪府社会福祉協議会から案内がきている施設で参加ご希望のところは早めにお申込みください。
 
 
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人事コンサルタント・社会保険労務士・社会福祉士の鷹取が記事を書いています。
研修・セミナーに関するお問い合わせは、次までお気軽にご連絡ください。
( Web窓口 ) 
 
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進創アシスト 鷹取...

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