人事コンサルタント鷹取が贈る「人事評価・労務管理・人材育成」入門

◆部下の人事評価・労務管理・職場のマネジメントに必要な考え方やツール、情報をピックアップしてお届けします。 ◆特に、医療・福祉分野の方向けにまとめていますが、一般企業の方にもぜひ参考としていただければ幸いです。 ◆担当は、人事総務部サポーター・現場管理職サポーターでアンガーマネジメント・ファシリテーターの『人事コンサルタント鷹取 人事マネジメント研究所 進創アシスト 代表』より。 【無断転載・無断複写禁止】

2013年04月

あなたも体験したはず、リアリティショックとは

<管理職からの質問>
管理職の困った顔 「リアリティショック」とは何でしょうか? このショックを緩和させるためにはどのような工夫があるのでしょうか?
 
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<解説>
社労士 「リアリティショック」とは、新入社員などが“期待や理想”と“現実”との間に生まれるギャップにより衝撃を受けることで、入社前のイメージと実際に入社した現実の違いを消化しきれずに、喪失感を持ったり、離職したりすることをいいます。
リアリティーショック 
 そこで企業は、このリアリティショックを緩和し、低減させスムーズに職場適用ができるようにメンター制度を取り入れたりしています。
 メンター制度とは、配属部署における上司とは別に指導・相談役となる先輩社員が新入社員をサポートする制度のことで、上記の狙いの他に基本的な業務に関する知識・技術の習得もスムーズにできるよう支援したり、新入社員の相談窓口となり精神的なサポートにもあたったりもします。

 また、指導側の先輩社員が新人指導を通じて、自己の業務に関する知識・技術をフィードバックすることで自己成長の機会にもなるという反対効果も期待できます。
 
 メンター制度と同じような仕組みで、エルダー制度、ブラザー制度、シスター制度、プリセプター制度という名称で導入されていることもあります。
  
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<ポイント>
! 「リアリティショック」とは、新入社員などが“期待や理想”と“現実”との間に生まれるギャップにより衝撃を受けることで、喪失感を持ったり、離職したりすることをいいます。企業はこのショックを緩和し、低減させるためにメンター制度などを取り入れています。

面談時に「良い点・褒める点」と「良くない点・注意する点」のどちらから話を展開すればよいでしょうか?

<管理職からの質問>
管理職の困った顔 教えてもらった面談時のメモ・記録シートを活用しようと考えています。ところで、実際の面談時に「良い点・褒める点」と「良くない点・注意する点」のどちらから話を展開すればよいでしょうか?他部署の管理職に聞いても意見が分かれ、迷っています。

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<解説>
社労士 面談時に「良い点・褒める点」と「良くない点・注意する点」のどちらから話を展開すればよいかということですが、諸説あります。いくつかの参考書を見るとパターンが違って書かれていますので、迷いますね。私はどちらが正しくて、どちらが間違いということではないと思います。
面談で先に話すのはどちら? 
 強いていえば、面談を受ける者(被面談者)が「良くない点・注意する点」を受け入れる状態であるかだと考えています。
 面談の最初から注意点を受け入れられる状態であれば「良くない点・注意する点」から入り「良い点・褒める点」に展開するとよいでしょう。
 人事評価の結果に不満をもっている場合など最初は注意点を受け入れられる状態でなければ、まず「良い点・褒める点」から始め、気持ちをほぐしたり、前向きに考えさせるようにさせたりした後で、「良くない点・注意する点」に話を転換することをお勧めします。
 普段接していれば、面談に入る前からどちらのパターンで進めればよいか概ねわかりますが、もしわからなければ「面談の切り出し」のときに、どのような状態か確認して、判断してください。臨機応変さが必要になりますね。
 
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<ポイント>
! 実際の面談時に「良い点・褒める点」と「良くない点・注意する点」のどちらから話を展開するかは、被面談者が注意点を、最初から受け入れられる状態であるかで判断します。
 受け入れられる状態であれば注意点→褒める点、受け入れられる状態でなければ褒める点→注意点で、面談を展開するとよいでしょう。

人気blog:「人事評価」面談時のメモ・記録シート(例)

<管理職からの質問>
管理職の困った顔 中間面談や期末面談のときには、面談者である上司は面談の準備をしておかなければならないと思うのですが、どのような準備をすればよいでしょうか?
 
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<解説>
社労士 面談は行き当たりばったりではダメで、あらかじめ準備をしておくべきというのはその通りです。
 そこで、右図のようなシート(例)を参考にするとよいでしょう。
 ダウンロードは■ここを■クリックしてください。
 
 これは面談者が作成します。
(中間・期末)面談記録・メモ 
・「面談の切り出し」
・「良い点・褒める点」
・「良くない点・注意する点」
・「課題点・育成点」
・「能力開発」
・「まとめ・エンディング」
 
 それぞれの項目について面談前に、自らの頭の中を整理し、準備しておいてください。話の展開も想定しておくとよでしょう。
 
 また、面談後はその都度きちんと記録を残しておいてください。上記の各項目について、面談時の本人の意見や反応、面談で決めたことをまとめておいてください。特に「課題点・育成点」について課題を達成又は改善させるための具体策は重要です。明確にしてください。
 
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<ポイント>
! 面談者である上司は、中間面談や期末面談にあたってはあらかじめ面談で何を話すか準備をしておいてください。準備する項目は上記の項目です。
 また、面談後は、項目それぞれに、その記録を残しておいてください。
 
 

---<お知らせ>-----------------------
当blog記事 次のタイトルをクリックください。

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日本医療企画の『介護ビジョン 2013年5月号』
【連載】有期労働契約の新しいルールで
「改正労働契約法の詳細解説②
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機会がございましたらご覧ください。

介護ビジョン_2013年05月号

人事評価シート【能力】(例)

人事評価シートのうち【能力】を対象とした(シート例)をあげますので、参考にしてください。
 同じものをPDFでダウンロードできるようにしています。■ここを■←クリックしてください
人事評価シート【能力】 
 この人事評価シートは、あくまでも一つの例です。各社ではいろいろ工夫をしていますので、実際に活用されるときは、何度かシミュレーションをするなどして御社にあった形に変更してください。
 
 
<参考>当BLOG 「目標管理シート(例)
 
 

人事評価シート【成績・情意】(例)

<管理職からの質問>
管理職の困った顔 人事評価シートはどのような内容や様式になっているのか教えてください。
 
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<解説>
社労士 人事評価シートのうち【成績・情意】を対象とした(シート例)をあげますので、参考にしてください。人事評価シート【成績・情意】
 同じものをPDFでダウンロードできるようにしています。■ここを■←クリックしてください
 
 
 ご覧いただいた通り「成績評価」「情意評価」に大きく2つに区分し、それぞれに「仕事の量」「仕事の質」「指導・育成実績」と、「規律性」「責任性」「協調性」「積極性」の評価要素としています。評価要素の定義も示し、評価尺度も一緒に載せています。
 
 この人事評価シートは、あくまでも一つの例です。各社ではいろいろ工夫をしていますので、実際に活用されるときは、何度かシミュレーションをするなどして御社にあった形に変更してください。
 
<参考> 当BLOG 「目標管理シート(例)
  
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<ポイント>
! 「成績評価」「情意評価」に大きく2つに区分し、それぞれに「仕事の量」「仕事の質」「指導・育成実績」と、「規律性」「責任性」「協調性」「積極性」の評価要素とした人事評価シートの一例をアップしましたので参考にしてください。

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newsletter 2013年04月臨時号

人事マネジメント研究所 進創アシスト 発行の「 newsletter 2013年04月臨時号 (pdf)」です。ダウンロードしてご覧ください。
http://blog.livedoor.jp/shinsou_assist/newsletter/201304_2.pdf
newsletter_201304_2
2013年度、注目の助成金です!
 

ある社会福祉法人の事例(2)~素晴らしいと思えた「真摯な反省と行動力」

<管理職からの感想>
管理職の困った顔 「ある社会福祉法人の事例(1)」は素晴らしいと思います。私の会社でも謙虚な姿勢は見習わなければなりません。
 
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<解説>
社労士 もう一つ私が素晴らしいと思えた事例を紹介しましょう。
 
人事評価制度導入を私が支援したある社会福祉法人( (1) とは別の法人)
 年功序列型であった給与制度を改革し、引き続き人事評価制度にも着手し導入しました。
 しかし、人事評価制度は上手く機能せず、管理者の姿勢もバラバラの状態。
 決められた時期に評価や面談をきちんと実施して評価シートを出してくる管理者がいる一方で、評価や面談を軽視してやったりやらなかったりする管理者も多数いました。
 組織統制も緩く、後者の管理者に対して強く働きかけることはしなかったため、能力に見合った処遇をするということは実現できないまま。それどころか形骸化した評価制度に対する職員の不満が募ってきたのです。
真摯な反省の上で、課題に真剣に向き合う 
 これではせっかく構築した人事評価制度が全く活きないため、評価制度を機能させる取り組みが再度始まりました。このとき幹部職員達はこれまでの組織統制のあり方について反省し、率先する行動姿勢が見られました。
 取り組みの内容としては、人事評価制度の意味を管理者全員で何度もディスカッションしたり、制度をきちんと運用するための手順書を作成したり、評価シートを使いやすく改定したり。また、一般職員全員に改めて人事評価制度について説明し理解を求めました。
 約1年かかりましたが、管理者の意識も概ね揃えることができました。当初の制度導入後から数年経過しましたが、平成25年度より本格稼働が可能になったのです。
 
 この事例の何が素晴らしいか?
 これまでの反省を踏まえて、他の管理者に責任を押し付けたり、誰かに頼ったりせず、幹部職員達は自らの課題だと覚悟を決めて取り組んだこと。
 人事評価制度を軽視していたり、どうせ制度は上手く使えないと諦めていた管理者に対し、評価を通した人事の重要性について時間をかけて何度も理解を図っていること。
 評価と同時に職員育成も大きな狙いであり、これをせずして職員の能力アップ、組織のレベルアップは図れないことを管理者がやっと理解し、真剣に向き合おうという姿勢になったこと。
 
 
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<ポイント>
! 人事評価制度が上手く機能しなかったとしても、それであきらめず、見直しや改善を重ねることが大事。その際、他人の所為にするのは簡単ですが、それではダメ。決められたことをやらない管理者がいたら、なぜやらないのかを冷静につかんでください。理解させることが不十分だったのか、制度的に不備があったのか。いずれにしても反省すべきところを客観的につかんで、真摯な反省の上で、課題に真剣に向き合うことが大事です。

ある社会福祉法人の事例(1)~素晴らしいと思えた「謙虚な姿勢」

<管理職からの感想>
管理職の困った顔 長年の課題であった人事評価制度がやっと導入できたので、たいへん嬉しく思います。これで安心です。
 
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<解説>
社労士 待ってください!
 人事評価制度を導入すれば、それで満足してしまう会社・組織が多いのですが、制度を機能させ、また納得性を高めていかなければなりません。そのためには、繰り返して研修や制度の見直しが必要不可欠です。
 人事評価は難しいものです。人が他人を評価することは、そう容易いものではありません。次の紹介事例のように、導入後からが勝負だという考え方、それと常に奢らず、学ぼうという「謙虚な姿勢」が大事です。参考にしてください。
 
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■人事評価制度導入を私が支援したある社会福祉法人
 以前から人事評価制度はあったものの形式的なもので実態を反映していませんでした。
 行政による介護職員処遇改善、キャリアパスの導入もあり、人事評価制度を見直すことにしました。
 約半年かけて見直し、評価者研修や職員説明会も実施して、導入・運用することになりました。
 若干の問題や微調整が必要であったものの運用は概ね計画どおり実施し、1年経過しました。
人事制度導入はスタート 
 年度末に1年の振り返りをしたとき、ある幹部職員から
 「評価者である管理職への評価者研修は継続して実施しなければダメだ。私たちはまだまだたくさんのことを学ばなければならない」
 また、「評価される一般職員にも評価制度のことをさらに理解してもらうために人事評価研修もやっていかなければならない」
 という意見が出されました。
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 この事例の何が素晴らしいか?
 評価してやっているんだという姿勢ではなく、もしかしたら評価エラーがあるかもしれないからと常に謙虚な姿勢を持ち、学ぼうとしていること。
 また、一般職員にも人事評価制度の内容や考え方、育成を狙った仕組みであるということを十分に理解してもらい、制度を受け身ではなく主体的に使って、自身のキャリアアップにつなげてもらおうとしていること。
 
 ちなみに、この後も継続して研修を実施し、制度の見直し改善も行っています。
 
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<ポイント>
! 人事評価制度は導入後からが、本当の勝負です。制度を機能させ、納得性を高めていかなければなりません。そのためには、繰り返して研修や制度の見直しが必要不可欠です。人が他人を評価するにあたっては「謙虚な姿勢」で取り組むことが大事です。

ある社協の人事評価導入事例~素晴らしいと思えた「決意と行動」

<管理職からの質問>
管理職の困った顔 人事評価の導入事例を紹介してもらえないでしょうか?
 
  
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<解説>
社労士 人事評価は難しいので、自分の会社ではできないとあきらめていませんか? 確かに人事評価は簡単ではありません。人事制度の中で最も難しい部類に入るといえるでしょう。しかし、それであきらめてしまっては、能力や役割に見合った処遇という本来の姿は実現しません。また、組織管理や部下指導を放棄していると指摘されても仕方ありません。その結果、優秀な社員はやりがいをなくし、流出していくことになるでしょう。難しいながらも人事評価を取り入れ、それを利用して組織を動かしていくことが大事なのです。
 
 人事評価制度の取り組みで、私が素晴らしいと思えた事例を紹介しましょう。
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■人事評価制度導入を私が支援したある社協(社会福祉協議会)
 以前から旧態然とした人事制度を見直さなければならないと考えていましたが、社内で検討を重ねるものの結論が出ず、先に進めませんでした(=人事制度を新しくすることができませんでした)。
 そこで、私が関与して給与制度、人事考課制度、教育研修制度のいわゆる人事制度全般を改革、導入しました。
社協の事例 
 一番の難関は、人事評価制度の運用。
 制度の仕組みはできたものの、実施にあたっては計画通り進めることができず、足踏み状態。
 各部署で評価すべき時期に評価せず。面談もズレにズレて、一部では実施せず。
 部下の方からは「これで適正に評価してもらるのか?」という疑問の声が出、評価者間でバラツキが目立ち、評価者も次第に「部下を評価すること」に対して自信を無くしていくことに。
 
 やむを得ず制度の本格的な運用は1年遅らすことに。
 その1年間に事務管理の責任者が、とにかく評価や面談等を計画通り進めること、制度運用の再確認、仕組みの微調整を毎月のように図り、評価者研修も重ねるということを率先して取り組まれました。(責任者の部下も素晴らしい働きをしました。)
 その結果、平成25年度から人事評価制度の本格的な運用が可能になったのです。
 
 この事例の何が素晴らしいか?
 決意と行動です。さらに継続していることです。
 やるべきことは決まっています。それをやり切れるかどうかです。
 特に人事評価制度は、このことに尽きるといっても過言ではないでしょう。
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
!<ポイント>
 人事評価制度は、人事制度の中でも最も難しい部類に入るでしょう。できないと諦めたり、軽々しく考えたりしていては、本当に使えるものにはなりません。
 上記で紹介した社協の事例から「やるべきことをやり切る」、その決意と行動を学び、実践してください。

人事評価の納得を高めるために必要なこと

<管理職からの質問>
管理職の困った顔 人事評価が人事判断をするいろいろな場面で必要なことはわかりましたが、その評価の納得性を高めるために必要なことは何でしょう?
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<解説>
 
 人事評価の納得性を高めるためには、役割(職務)の範囲や責任の程度などを中心に指標を持ち、それを上司が適正に評価できることが必要です。
 会社の経営者や管理職の内にだけ、指標や評価結果を持っているだけでは不適切です。誰にでもきちんと説明ができるような仕組みを持ち、制度としてきちんと稼働させていなければなりません。
人事評価の納得を高めるために必要なこと 
 そのときに大事なものの一つが人事評価シートなどのようなツール。
 自分の会社にあったツールが望ましいのですが、最初からそのようなものは作れません。特に、中小企業、小規模事業所では尚更です。
 したがって、どこかのツールを参考に、真似て利用しようとするでしょう。それ自体は否定しませんが、ただ真似るだけではダメです。 なぜダメか? それは、使い続けないからです。使い続けながら不具合等を点検、改善し、時間をかけて自社のものにしていくことによって、充実し、納得性が高まってきます。
 ツールを使い続ける労力はかなり必要です。評価を受ける部下からすれば、それ位の覚悟を持って実施して欲しいと思うでしょう。思いつきでやられては、たまったものではありません。
 
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<ポイント>
! 人事評価の納得性を高めるためには、①役割(職務)の範囲や責任の程度などを中心とした指標と、②それを上司が適正に評価できること。この2点は最低限必要なことですが、それを形にした人事評価シートなどのようなツールが必要です。さらに、そのツールを自社のもの、適切なものにしていく改善努力も欠かせません。
 

これからは人事評価は不可欠!

<管理職からの質問>
管理職の困った顔 管理職になってから人事のいろいろなことについて、その判断が重要なんだということがなんとなくわかってきました。特に人事評価が大事ではないかと思うのですが、この考え方は正しいでしょうか?
 
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<解説>
社労士 社員にはあまり評判がよくない人事評価制度ですが、今後の人事労務管理では人事評価は欠かせません。そのことを簡単に説明しましょう。
これからは人事評価は不可欠 
■人事評価が必要となる例 
 今後はこれまで以上に次のようなことに合理的な説明が求められています。そして、その根拠となるのが人事評価です。
① 正社員間の処遇(給与・昇給・昇格・昇進等々)の違いの根拠について
② 正社員とパート・契約社員との雇用形態や処遇の違いの根拠について〔改正労働契約法により無期転換社員が加わり3者の違いを明確にしなければならなくなりました〕
③ 試用期間中の社員を本採用するか拒否するかの根拠について
④ パート等の有期契約社員を契約更新するか雇止めにするかの判断根拠について
⑤ 定年後再雇用する高年齢者の働き方や処遇を定年前と変更するときの根拠について
 
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<ポイント>
! 人事評価は、処遇をはじめ各種の人事判断をするにあたってその根拠になるためひじょうに大事なものです。できていなければ根拠を示せず、合理性を欠くものとなってしまいます。
 

「改正労働契約法に係る企業の対応について」大阪労働局調査

「改正労働契約法に係る企業の対応について」大阪労働局調査
 
第18条「無期労働契約への転換」に関してどのような対応を検討されていますか。
・労働者からの申し入れがなされた段階で無期労働契約に切り替えていく。…277(42.0%)
・他社の動向を見ながら検討する。…186(28.2%)
・労働者の適性を見ながら、5年を超える前に無期労働契約にしていく。…124(18.8%)
・有期労働契約が通算で5年を超えないよう運用をしていく。…115(17.4%)
 
第19条「雇止め法理の法定化」に関してどのような対応を検討されていますか。
・雇止めは従来からほとんど行っていない。…323(48.9%)
・雇止めを行うこともあるが、これまでの運用を変えることは考えていない。…303(45.9%)
・規定の趣旨を踏まえ、雇止めをなるべく行わないようにする。…131(19.8%)
・有期労働契約の反復更新をなるべく行わないようにする。…35(5.3%)
 
第20条「不合理な労働条件の禁止」に関してどのような対応を検討されていますか。
・現在の労働条件の設定に問題があるか否かについて個別に再点検を実施する。…395(59.8%)
・改正法の趣旨を踏まえて、有期契約労働者と無期契約労働者との間で、期間の定めがあることのみによる労働条件の相違を改善する。…98(14.8%)
・他社の動向をみながら検討する。…98(14.8%)

新人教育失敗例(4)

<失敗例>
男性_困り顔 同じ職場に2人の社員が同時に配属された。1人は自業界の専門学校を出ただけに仕事は的確で早い。もう1人は大卒だが覚えが悪く、ミスが目立つ。職場では、専門学校卒社員を依怙贔屓し、大卒社員のミスを必要以上に取り上げて非難する。そして、大卒社員を仲間外れにする。
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<解説>
社労士 人間はどうしても他人と比べたくなる傾向を持っています。特に失敗例のように同時に2人以上の新入社員が入ってくると、優劣で比べてしまいがちです。
新人教育失敗事例(4) しかし、人事評価「評価のエラー(対比誤差)」で解説しましたが、他人と比べることは評価のエラーにつながります。同じように、新人教育の時も他人と比べて育てることはよくありません。入社する社員によって基準が変わってくるからです。標準的な能力を持つ新入社員であっても、能力の非常に優れた者が同時に入ってくればダメ扱いされ、反対に能力の低い社員が同時に入ってくれば優遇されるのでは、仕事自体がそもそも揺らいでいる職場であるといえるでしょう。
 新入社員に求められている標準的な習得課題にあてはめて、その出来栄えで指導することが大事です。
 
 また、失敗例の職場では、依怙贔屓や必要以上の非難、仲間外れが起こっているようですので、パワハラや職場のいじめ・嫌がらせにつながる可能性があります。そのようなことにならないよう会社として「パワハラ研修」等を実施し、意識を高めてください。
 
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<ポイント>
! 人の比較ではなく、新入社員に求められている標準的な習得課題にあてはめて、その出来栄えで指導する。
 また、「パワハラ研修会」を実施する。
 
『人事評価』「評価のエラー

新入社員の標準的な習得課題の考え方は「新人教育失敗例(2)」を参考にしてください。

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進創アシスト 鷹取...

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