人事コンサルタント鷹取が贈る「人事評価・労務管理・人材育成」入門

◆部下の人事評価・労務管理・職場のマネジメントに必要な考え方やツール、情報をピックアップしてお届けします。 ◆特に、医療・福祉分野の方向けにまとめていますが、一般企業の方にもぜひ参考としていただければ幸いです。 ◆担当は、人事総務部サポーター・現場管理職サポーターでアンガーマネジメント・ファシリテーターの『人事コンサルタント鷹取 人事マネジメント研究所 進創アシスト 代表』より。 【無断転載・無断複写禁止】

2011年08月

管理職として部下を叱る(3)

<管理職からの質問>
管理職の困った顔 他の管理職の方は、部下を叱ることについてどのようにしているのでしょうか? また、叱られる部下はどのように思っているのでしょうか?
 
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<解説>
社労士 
 
多くの管理職は、職場で叱る必要性があると考えていますが、「職場で叱る頻度は減っている」ようです。その理由としては、次のようなことが言われています。
・叱ると、部下がついてこなくなる。すぐに辞めてしまう。
・上司としての叱り方がわからない。
・叱るとパワハラなどと言われるようになった。
現在の職場事情を反映しています。

叱られたい、叱られたくない上司
「叱られたくない上司」には、
・信頼できない。
・いざというときに責任をとってくれない。
・部下の状況や理由をきちんと理解しないで決めつける。
という意見が多く、
反対に「叱られてもついていきたい上司」は、
・いざというときは責任をとってくれる。
・日頃から部下の状況や理由をきちんと理解してくれている。
・信頼できる。
・指示が納得できる。
とあります。


「やる気がでた」と感じる叱り方としては、
・仕事のやり方が悪かったとき。
・仕事の質が低かったとき。
・仕事に対する態度が悪かったとき。
と方法や手段、態度、いわゆるプロセスにおいて、自分では気づかなかったことを気づかせてくれたときは叱られてもそれによってやる気を出せるようです。

一方、「意味がない」と感じる叱り方としては、
・結果を出せなかったとき。
・目標を達成できなかったとき。
と、結果のみを取り上げて叱責しては、意欲を低下させ、職場の雰囲気を悪くさせるだけになるようです。


また、全体的にみると、優秀な従業員は叱られることを前向きに考えようとする傾向がありますが、レベルの低い従業員は効果がない、やる気を殺ぐというように考えるようです。
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<ポイント>
! 多くの管理職は、職場で叱る必要性があると考えていますが、現在の職場事情を反映して叱る頻度は減っています。叱る上司の日頃からの言動によって叱られる部下の納得度は違ったものになり、また、結果のみではなくプロセスについて叱る方が良いようです。

 
 
    
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部下に仕事を任せる

<管理職からの質問>
管理職の困った顔 管理職として自分ひとりでは仕事ができないことを身にしみて感じるようになりましたが、部下に仕事を任せることの難しさも同時に感じています。そこで、改めて「部下に仕事を任せる」とはどういうことか教えてください。
 

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<解説>
社労士 「部下に仕事を任せる」ことは、管理職の重要な仕事の一つです。
 
 管理職には、担当する部署の業務を円滑に進め、期待されている成果を出すという責任がありますが、そのためには部下を管理監督します。具体的には、部下の仕事をチェックして指導をしたり、多少の距離をおいて見守る=任せたりします。この「チェックや指導」と「任せる」は両方とも必要ですが、部下の能力に応じてウエイトの置き方は異なります。初心者や能力の低い者に対しては前者のウエイトが大きくなり、ベテランで能力の高い者に対しては後者が大きくなりますが、いずれにしても「任せる」部分は必ずあります。(「チェックや指導」もどのような部下にも必ず必要です。)
 
 ところで、「任せる」ことと「放任」とは違います。「放任」とは、成り行きにまかせてほうっておくこと、干渉しないことですが、そのような状態では殆どの場合、良い結果が得られません。それは、放任すると部下自身の基準で仕事をしてしまうことになるからです。
 
 また、「放任」は管理職の管理監督責任の放棄です。責任を放棄しておきながら、部下が仕事でよい成果を上げられなかったら怒鳴って部下の責任にする管理職も中にはいますが、それは決してやってはいけないことです。
 部下に仕事を任せる

 「部下に仕事を任せる」とは
 ・部下の能力に応じて、
 ・任せる仕事を示して、
 ・上司が期待する水準で成果を出させるよう
 ・部下に仕事のやり方をある程度任せて
 ・上司の責任において見守る
 ことです。
 
 部下に仕事を任せることで部下は成長して喜びを感じ、また部署の仕事は効率的に運ぶようになるのです。
  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<ポイント>
! 「部下に仕事を任せる」ことで部下は成長して喜びを感じ、また部署の仕事は効率的に運ぶようになります。「放任」とはまったく違います。「放任」は管理職の責任放棄で、決してやってはいけないことです。
 
 
    
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管理職として部下を叱る(2)

<管理職からの質問>
管理職の困った顔 部下の叱り方を間違えば、パワハラになると聞きましたが、そのようなことにならないようにするためには、どのような点に注意するとよいでしょうか?
 
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<解説>
社労士 部下を「叱る」のは、感情的に「怒る」のとは違うということを前回説明しました。 上司の叱り方が不適切で、あまりにも過剰だと人格を否定しているととらえられ、パワーハラスメントになってしまう可能性がありますので注意が必要です。パワハラへの注意点だけではなく、適切な叱り方をするためには、次のようなことを心得ておくとよいでしょう。
 
□しかるべきときに叱る [しかるべきときに叱れないと、状況を悪化させることを理解する]
叱るときの注意点□部下の不適切な言動は、自分(上司)の責任でもあるという姿勢で叱る
□上司は日頃からの言動に一貫性をもって叱る
□もし、誤って叱った場合には、自らの不注意を真摯に反省し、部下に伝える
□個人的な感情ではなく、与えられた組織上の役割として叱る
□結果よりもプロセスを重視して叱る  場合によっては結果が出ていても、プロセスが不適切であったり規律を乱していれば叱る
□事実に基づいて叱る
□部下のレベルに降りて易しい言葉で叱る
□基本的には別室で1対1で叱る
□部下が発言しようとしたときに遮(さえぎ)り、自分の言葉をかぶせて抑え込むような叱り方をしない
□舌打ちをしない
□ため息をつかない
□高圧的に一方的に叱らない
□長時間にわたり叱らない
□人格を否定するような叱り方をしない
 
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<ポイント>
! 上司の叱り方が不適切で、あまりにも過剰だと人格を否定しているととらえられ、パワーハラスメントになってしまう可能性がありますので、上司は部下を叱った後、上記のチェックリストを参考に、叱り方が適切であったのかを自身で反省してみるとよいでしょう。

 
    
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管理職として部下を叱る(1)

<管理職からの質問>
管理職の困った顔 管理職になって難しいと思うことに、部下を「叱る」ということがあります。部下をマネジメントするには必要だと思うのですが、どう叱ればよく迷います。ポイントを教えてください。
 
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<解説>
社労士 [叱る」ということは、管理職にとって避けて通れない課題です。

 管理職といえども部下に嫌われたくありませんが、担当部門の業務を円滑に進めていくためには、不適切な言動をしている部下には叱って、正さなければ管理職としては失格です。しかし、実際、適切に「叱る」のはとても難しいものです。
 
 適切に「叱る」という前提には、上司と部下との間に信頼関係が必要不可欠です。そのためには、部署の責任者として責任をとる姿勢と一貫した言動が大切です。
 
 また、「叱る」というのは「しかるべき道を諭す」と言われており、感情のまま「怒る」とは異なります。そこで、次に「しかるべき道を諭す」手順の基本を示しますので、参考にしてください。
叱る手順 
 
■叱る手順
・面談の初めに、叱ることを明確に伝える。
 ↓
・何に対して叱るかを具体的に伝える。
 ↓
・叱る対象となった行為(事実)を整理して端的に伝える。
 ↓
・期待していることとギャップがあることを伝える。
 ↓
・そのギャップによって生じる問題や影響について具体的に説明する。
 ↓
・部下からの弁明があれば聞く。
 ↓
・今後どうあって欲しいか、どんなことを理解し行動に変化をおこして欲しいかを伝える。
 ↓
・考え方や発言、行動の改善を期待していることを述べて終了する。
 
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<ポイント>
! 「叱る」というのは「しかるべき道を諭す」と言われており、叱られていることとその理由を理解させ、言動を改めさせることにあります。決して「叱る」ことが目的になったり、上司のストレス発散の場になってはいけません。叱る手順を参考にしてみてください。

 

    
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部下のやる気が落ちたとき

<管理職からの質問>
管理職の困った顔 部下の中には、最初やる気満々で取り組み始めるのですが、途中でやる気を失う者がいます。他の部下と同じように面倒を見ているのですが、どうしたらよいでしょう?
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<解説>
社労士 動機づけは1度行えばよいというものではありません。
 
 目標達成に向けての取り組みの進捗が遅かったり、ホウレンソウ(報告・連絡・相談)がなかったり、さらには、当初の目標とは違ったものに興味を示したりすることもあります。この場合、モチベーションが下がっている可能性がありますので、改めて動機づけを行う必要があります。
 
 動機づけ理論は、たくさんあります。代表的なものを挙げると、マズローの欲求段階説、ハーズバーグの動機づけ・衛生理論、マクレガーのX理論Y理論、目標設定理論、期待理論、職務充実理論、選択理論などですが、理論を説明するのが目的ではありませんので割愛します。
 
 また、なにが動機づけになるのかを部下一人ひとりを観察し、それぞれに適した方法を考えながらやる気(モチベーション)が下がらないように働きかけることが必要になります。ちなみに、人が何に動機づけられ、または、どのようにして動機づけられるのか、その要素をいつくか例として挙げておきます。
部下のやる気が落ちたとき 
 ・現在の仕事の充実感
 ・報酬
 ・評価
 ・地位や権力
 ・会社への貢献
 ・社会への貢献
 ・変化や改革
 ・他者との競争そのもの
 ・調和
 ・挑戦すること
 ・会社や周囲から期待されていること など
 
 一つだけではなく、いつくかの組み合わせも考えられるでしょう。
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<ポイント>
! やる気が高い状態のまま1年間を過ごすという者は殆どいないでしょう。やる気が落ちたときにどのように、改めて動機づけをして、やる気を上げるかは、部下の興味や関心によって異なってきます。よって、部下一人ひとりをよく観察し、それぞれに適した方法で働きかけることが必要となります。
 
 
 

    
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部下の動機づけのときに押さえておくべきポイント

<管理職からの質問>
管理職の困った顔 ビジョンを作成し、周知を図りましたが、次にやるべきことは何ですか?
 
 
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<解説>
社労士 自部署のビジョンや目標を達成するためには、部下の力が必要です。
 
 その達成を最も効果的なものにしようとするならば、部下の力が最大限に発揮されている必要があります。そのためには、場づくりや適切なポジショニング、権限移譲のほか、本人の動機付けは欠かせま部下の動機づけで押さえておくべきポイントせん。
 
 動機付けには、単に一人ひとりに課題や目標、または報酬を与えればよいというものではなく、効果的な動機づけを行うためには、次のことを押さえておきましょう。
 
動機付けで押さえておくべきポイント
 ① 動機づけは目標設定のときにする
 ② なぜその仕事をするかという必要性や重要性を理解させる
 ③ 目標を達成するために、とるべき望ましい行動や戦術を理解させる
 ④ 目標を達成したときに、得られる成果や状態を理解させる
 ⑤ 上司と部下とが②~④について同じ理解である
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<ポイント>
! 部下に持っている力を最大限に発揮させるには、本人の動機づけは欠かせません。目標設定時に、必要性・重要性、とるべき戦術、得られる成果などを上司も一緒になって理解、確認しておきましょう。

 
 

    
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news letter 2011年08月号

人事マネジメント研究所 進創アシスト 発行の「 news letter 2011年08月号 (pdf)」です。ダウンロードしてご覧くnewsletter_201108ださい。  http://blog.livedoor.jp/shinsou_assist/newsletter/201108.pdf
 
 
↓ news letter 紹介の推薦図書

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