<管理職からの質問>
管理職の困った顔 新卒者のことは前回教えてもらいましたが、試用期間にある者が中途採用者であった場合は、上司や会社としてどのようなことを確認すればよいでしょうか?
 
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<解説>
社労士 中途採用者の場合、どのような条件で採用されたかによって確認すべき内容は異なってきます。次の手順を参考にしてください。
 
(1) 試用期間中の中途社員は、どのような職務(職責)を担う者として採用されましたか?
 部門や部署の責任者・管理職として採用されたのか、専門職としてなのか、一般従業員としてなのかで大きく違います。まず、採用条件をつかんでください。
 
(2) (1)の職務(職責)を担う者として、どのような職務遂行能力や専門性等が必要ですか?
① 部門や部署の責任者・管理職として採用されたのであれば、
  ・部門や部署の事業計画の策定能力
  ・部門や部署の組織統率能力
試用期間(2)  ・管理能力
などを確認することが必要です。この場合、職務記述書や職務分掌、事業計画書等を参考にしながら確認するとよいでしょう。
 
② 専門職として採用されたのであれば
 ・専門職としての知識と技術力
 ・専門職として求められている目標達成能力や業務遂行能力
などが確認内容となります。
 
③ 一般従業員として採用されたのであれば、
 ・仕事を遂行するに必要な基礎能力
 ・学習能力
 ・社会人としてのマナーや接遇
などの確認内容となるでしょう。
 
(3) (2)の職務遂行能力や専門性を発揮したその結果(成果)はどうでしたか?また、そのプロセスや職務の態度がどうでしたか?
 ・(2)の①②については、試用期間満了近くになってから確認するのではなく、毎月定期的に確認をし、改善を求めるのであればその都度その者の上司から具体的に指導・指示を出してください。
 ・(2)の③については、前回の記事を参考にしていただくとよいでしょう。
 
 
 (2)や(3)の内容は、現場だけで勝手に決めることもできないことが多いでしょう。人事担当者に相談して会社としての求めるものをきちんとつかんでおいてください。
 
 
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<ポイント>
! 試用期間中の中途採用者に対して確認すべきことは、管理職、専門職、一般従業員などの採用条件によって異なります。それぞれに求められている内容に適した確認が必要です。能力の他、成果物や業務遂行のプロセス、職務態度などに分けて確認してください。